約 3,642,971 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1297.html
慧音先生とゆっくり。 上白沢慧音は里で寺子屋の教師をしている。 まだ、幼い子供達に文字を教えたり、計算を教えたりしていた。 そんな彼女のもとに、ある子供がゆっくりを連れてきた。 ゆっくりとは生首のような生物で、ぴょんぴょん跳ねたりして移動する。 足という部分もあるらしいが、詳しい事はよく分かっていない。 中身が餡子なだけに、美食家達からも重宝されている。 しかし、ゆっくり達にはある欠点がある。 それは恐ろしいまでの知能の低さだ。 なぜか頭に付いている帽子を外すと、仲間と認識できなくなり攻撃する。 さらに、自分の妻が産んだ子供を自分が生き残るために殺したりする。 これは動物界では珍しい事ではないと言われるかもしれないが、なにせこいつら、言葉を話すのだ。 簡単な言葉ばかりで、難しい話をすると頭を傾げるが、大抵の事は理解する。 このゆっくりの中の種類にゆっくりまりさというものがいるが、そいつが典型的な裏切り者だった。 逆にいえば悪知恵が働くと言うが、時々人間らしさを見せるゆっくりが子供を見捨てたり、理不尽な事を言って仲間のゆっくりを攻撃しているのを見れば、並大抵の人間は怒りを覚えるだろう。 しかしこの慧音、ゆっくりと言う生物をあまり知らない。 大抵里に行くときは授業のためだし、家に帰れば残った仕事をするので、あまり接する機会が無かった。 「これが、ゆっくりって奴か」 慧音は興味深そうにそれを見つめる。 子供が持っていたのはゆっくりれいむで、うまく育てれば普通の家庭でも育てられる。 他にいる、まりさ、ありすも育てようと思えば育てられるが、まりさは何をしでかすかわからないし、ありすは異常性欲と言う特性をもっているので、あまり飼おうとは思わない。 ゆっくりれみりあなど例外だ。 この他にもゆっくりはいるのだが、それは省略する。 「おねーさんこんにちわ! ゆっくりしていってね!」 れいむは慧音に向かって挨拶をする。 「ああ、こんにちわ」 慧音は優しく挨拶をする。 彼女は、最初ゆっくりは害獣だと聞かされていた。 畑をあらし、民家に侵入しては食い物を荒らす。 そしてあたかも自分の家としてふるまう。 やることだけなら山賊に近い生物だ。 (なんだ、ゆっくりって結構礼儀のある奴もいるんだな) 「慧音先生、ゆっくりっておもしろいんだよ!」 そう、生徒の一人が言う。 「ほう、何か芸でも覚えているのか?」 慧音が尋ねると、生徒の一人がれいむを机の上に置いた。 そして、いきなり指を目の上に突っ込むと、そのまま目玉をくりぬいた。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「お、おい! 何してるんだ!」 突然起きた生徒の行動に、慧音は叫ぶ。 だが、生徒は手馴れたようにもう一個の目玉をくりぬいた。 「ゆ゛っぐえ゛!」 目玉を両方失ったれいむの目が合った場所から、涙のように餡子が流れ出ている。 「はい慧音先生、目玉の部分はぷるぷるしてて中に餡子が詰まってて美味しいんだよ」 そう言って、生徒は固めを慧音に差し出した。 しかし、彼女は受け取らず生徒をしかりつけた。 「何してるんだ! 仮にも生き物だぞ!」 生徒は怒られた事にびっくりしていた。 まるで、なぜ怒られたんだと言うような目だ。 「で、でも……」 「でもじゃない! 生き物を大切にしない奴は私は大嫌いだ! 出て行け!」 慧音は怒鳴りつける。 生徒は、裏切られた気持ちで半べそを書きながら、目玉の無いれいむを連れて出て行った。 しかし、他の生徒から非難を浴びる。 「先生ひどいよ! あの子は先生においしいお菓子を食べさせようとしたんだよ!」 「そうだよ! 先生はゆっくりの事なにも知らないの?」 「うるさい、ゆっくりがどんな生き物だろうと私はああやって悪戯に命を奪う奴が大嫌いなんだ」 結局、慧音は怒ってその秘の授業を全部自習にした。 竹林を抜けて、慧音は家へ向かう。 「まったく……近頃の子供は命の尊さというものを知らないのか」 怒りながら進んでいくと、人並みくらいにでかい物体が竹林を抜けていた。 ゆっくりと進むそれは、巨大なゆっくりまりさだった。 「ゆ? おねーさんはゆっくりできるひと?」 その質問に、慧音は笑顔で返す。 「ああ、できるぞ」 「ゆゆ! じゃあおねーさんたべものちょうだいね!」 通常、妖怪おにいさんだったら攻撃するか策略を練っていたぶるだろう。 だが、相手はゆっくりを知らぬ慧音だ。 「ああ、腹が減ってたのか。 昼の残りならあるぞ」 そう言って食べ切れなかった握り飯を巨大まりさに与える。 すると、どこに隠れていたのか寺子屋で見たときと同じくらいの成体ゆっくりがわらわらと現れた。 「おかーさん! それちょうだいね!」 「まりさにはこどもがいるからさきにちょうだいね!」 握り飯を分けても足りないくらいに成体がいる。 そこで、慧音はある提案を出した。 「そうだ、私の家にくれば少しだけだがあげられるぞ」 「ゆっ!?」 その言葉にまりさは警戒心を強める。 まるでまたかとでも言うような感じだ。 「おねーさんはうそつきだね! そうやってまりさたちをいじめようとしてるんだね!」 「ち、違うっ。私はそんな事思ってない!」 慌てて慧音は言う。 そして思った。 (こいつらは人間達にいじめられてきたのか……かわいそうに) 「わかった、ここでその親と待っててくれ。私が持ってくれば文句無いだろう?」 「ゆっ……わかったよ、でもうそだったらおねーさんつぶすからね!」 巨大ゆっくりは警戒心剥き出しでそういった。 確かに、この質量のゆっくりにつぶされれば人間ならひとたまりも無いだろう。 「安心しろ、約束は守る」 そう言って、慧音は家に戻り自分の分を残したあまり物の野菜などをまりさ達に持っていった。 「ゆっゆっ! このおねーさんうそつきじゃなかったよ!」 「まって! やさいにどくがはいってるかもしれないからまりさがさきにたべるよ!」 巨大まりさは慎重に言う。 確かに、おにいさん達なら睡眠薬やら入ってただろう。 「だからそんなもの入ってないぞ」 困った風に慧音が笑う。 そして巨大まりさが食べ終えた。 「だいじょうぶだったよ! このおねーさんはいいひとだからみんなでごはんたべようね!」 その言葉を合図にまりさたちは一斉に野菜を取り囲んだ。 成体ゆっくりが野菜をくわえ、その後ろにいる子供にも分け与える。 そして他人の子にも分けていた。 どうやら群れで行動しているゆっくり達は団結力が強く、みな家族だと思っているようだ。 そういう触れ合いを見ていると、慧音も嬉しくなる。 どこまでも甘い人だ。 そこがいい所でもあるのだが。 「おねーさんありがとう!」 「「「「ありがとう!」」」」 「ああ、どういたしまして」 慧音は笑顔で去っていくまりさたちに手を振った。 ちなみに、この時彼女は里の襲撃を防いだということは後に分かる事である。 ■■■ しばらくして、慧音の家に一匹のまりさが来た。 なんでも、パーティをやるからおねーさんも食べ物を持ってきて一緒に来いとの事だった。 慧音は自分の分の食料しかなかったが、それを半分にして持っていくことにした。 ぴょんぴょん跳ねるゆっくりまりさ、慧音はその後をついていく。 しかし、山の近くである事件が起きた。 「う゛~♪ だ~べちゃ~うぞ~♪」 ゆっくりれみりあが襲い掛かってきたのだ。 れみりあ種はゆっくり達を食べる種類なのでまりさ達は恐れていた。 「おねーさんたすけてね!」 「あ、ああ……」 見た目は頭が以上にでかい子供なので、いささか抵抗があった。 しかし。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛ざのぼうじがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 丁度、ゆっくりれみりあがこけてまりさの後ろに倒れたときだった。 闇雲に振り回した腕が、ちょうどまりさの帽子を引き裂いたのだ。 「くそっ! この!」 軽く蹴飛ばして、ゆっくりれみりあを追い払う。 半べそをかいてざぐやざぐやと叫んでいた。 「大丈夫か?」 「ゆぅ……大丈夫だよ」 傷ついたまりさを抱えて慧音は山を登った。 巣に着いたらうんと楽しませてやろう。 この傷が少しでもいえるように。 そう慧音は思っていた。 「ここだよ! ここにまりさのおうちがあるんだよ!」 「そうか」 慧音は山の中にできた洞窟に入る。 元々ここら辺には山賊がいて最近妖怪に食われたと言う話を以前聞いたのでたぶんここがその砦だったのだろう。 ついた頃にはもう日が暮れていた。 「おかーさん! おねーさんを連れてきたよ!」 すると、中にいた成体ゆっくり達が一斉に帽子のないまりさを見る。 そして案の定非難の声を浴びせた。 「ゆ! ぼうしのないやつはまりさじゃないよ!」 「しらないゆっくりはゆっくりしんでね!」 その光景に慧音は困惑する。 「お、おい……これはお前達の仲間だぞ?」 「そんなぼうしのないまぬけなまりさはしらないよ!」 そういわれてぼうしのないまりさは泣き出す寸前だった。 その時。 「みんなばかだね! あれはまりさたちのまりさだよ! おかーさんにはわかるよ!」 洞窟の奥から巨大ゆっくりまりさが現れた。 そして帽子なしまりさは希望に満ちた顔をする。 「ありがとうおかーさん! きづいてくれたんだね!」 「みんながばかでごめんね! あとでぼうしつくってあげるからね!」 多少の違和感があるが誤解は解けたようなので慧音はほっとする。 しかし、その瞬間慧音の袋に入れた野菜がかすめとられた。 「!?」 「そしておねーさんもばかだね! みんな! あとでおねーさんのおうちにあんないするよ! ここよりとってもゆっくりできるよ!」 いきなり手のひらを返したように罵倒してきた帽子なしまりさに慧音は唖然とする。 「は?」 そうしている間に、慧音に数匹のゆっくりがタックルしてきた。 もう帽子なしまりさを仲間と認識したようで、いつもの団結力だった。 一匹だけならマッサージ程度にはなっていたが、数匹になると子供に突き飛ばされたくらいの痛みがあった。 「きゃっ」 慧音は地面にしりもちをつく。 そして馬鹿にしたように巨大まりさが舌を出した。 「おねーさんはほんとばかだね! あたらしいおうちをおしえてくれてありがとう! ゆっくりしね!」 巨大ゆっくりは転がって慧音の足をつぶす。 折れはしないものの、とても痛い。 「ぐっ!?」 さらに膝。 太もも、胴。 巨大まりさに体をつぶされていく。 (なんで……どうして、パーティをするんじゃなかったのか) 慧音は裏切られた気持ちになる。 そして、何とか動こうと頭を動かしたとき、月が目に入った。 「!!」 慧音の体から動物本能が目覚める。 上白沢慧音はハクタクと呼ばれる妖怪のハーフで、満月になると本来のハクタクの姿となるのだ。 「ぐが、おおおおおおおおおっ!!」 裏切られた怒りと悲しみとで、力任せに巨大まりさの体に腕をねじ込む。 「ゆぐっ!?」 通常のゆっくりより耐久力のある巨大まりさだが、妖怪の本気に勝てるわけが無い。 そのまま足を引き裂かれ、体の中に腕が侵入する。 「あ゛がががががががががが!!!! ゆ゛っぐり゛でぎだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 そして侵入させた腕に力を込め、弾幕を発射した。 弾はまりさの餡子脳を突き破り、天井を削る。 しばらく弾を浴びせた跡、まりさは破裂して弾けとんだ。 「お゛がああざあああああああああああああん!!!」 「ゆ゛ううううううううううううう!!!」 成体ゆっくりが叫び声をあげる。 びちゃびちゃと雨のように降る餡子の中、慧音は月夜に照らされて手についた餡子を舐める。 その姿には、普段の生真面目さがない獣のような獰猛な姿であり、妖しく美しくもあった。 「ひぃいいいいいいっ!!」 一匹のまりさが恐怖にかられて洞窟から出ようとする。 だが、慧音に捕まり握りつぶされた。 「ゆびげぇ!」 目玉を飛び出し、歯を食いしばりながら死んでいくまりさを見て、慧音は楽しいと思った。 なぜ、こんな下衆のような奴等に餌を与えてしまったんだろう。 それだけが悔しかった。 「まりさはおいしくないよ! ほかのまりさをたべてね!」 そう言って子供のまりさを差し出す。 「ゅー! ゅー!」 小さなまりさは怯えている。 慧音は再び殺意を覚えた。 「子供を差し出してまで自分が助かりたいかぁっ!!」 拳を唸らせ、差し出したほうの成体まりさを潰す。 さらに、集団でタックルし、逃げる機会を作ろうとまりさが飛び掛る。 だが、慧音の手刀で横に薙ぐ。 すると、食らったまりさの横顔が歪み、皮が破れて餡子が飛び散る。 あとは怯えているまりさたちだけだった。 「……おまえら、もうだれも騙さないと誓えるか?」 「ぢがいまずううううううう!! おでがいでずううううううう!!!」 慧音はもう殺す気など起きなかった。 こんな下衆野郎は殺すに値しない。 だが。 「せいぜい暗闇の中、その私から盗んだ野菜で生き延びるがいい」 そう言って洞窟を出て指をパチンと鳴らす。 背後で爆発音がしたかと思うと、土砂がくずれて洞窟を塞いでしまった。 「はぁ……今日は妹紅の家に泊めて貰おう」 妙にむしゃくしゃした気分が晴れないまま、慧音は山を降りていった。 ■■■ それから。 「なぁ、君」 「は、はい……」 教室の中で先日叱った子供を呼んだ。 「その……すまない。酷い事言って……私が間違っていた」 両手を合わせて頭を下げる。 すると生徒は笑って許してくれた。 嬉しくなって慧音は生徒を抱きしめる。 なんとうらやまし、もとい感動的な光景だろうか。 しかし、代わりにゆっくりの目玉が食べたいと言った。 「よしまかせろ、先生の習性については最近よく知ったからな」 こうして、しばらくは課外授業として生徒達と慧音のゆっくり狩りは続いた。 そしてその中で、慧音は一生ゆっくりまりさの事を嫌いになったそうな。 あとがき 即興で書いたからって言い訳にしませんよ。 生徒、俺と代われ、その乳は私のものだ! このアホが作った作品。 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト 作:神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3257.html
ゆっくりの重さ ゆっくりの体当たりがなぜ効かないか? 喰らってみればわかると思うけどゆっくりは見た目よりも非常に軽い。 それは何故かを今から標本を作りつつ説明しよう。 「れいみゅおなきゃすいちゃよ!はやきゅごはんをもっちぇきてね!」 机の上で腹が減ったとわめいているのはゆっくり子れいむ、頬を膨らませたり、 悪態をついたりと態度が悪い、あまり出来の良い個体とは言えないゆっくりである。 「きこえちぇるの?はやきゅれいみゅにごはんをちょうだいにぇ!ばかにゃの?しにゅの?」 男はれいむの言葉を無視しつつ、標本作りの準備に取り掛かる。 「今から永遠にゆっくりさせてあげよう・・・」 男はそう言うとれいむの頭に素早く下敷きを振り落とす。 「ゆ゙っ!」 れいむは反射的に悲鳴をあげるが自分の体に何が起こったかは理解していない。 しかし襲い掛かる激痛が自分の体に起こった事を嫌でも知らしめる。 れいむは男が振り下ろした下敷きに体を左右対称、真っ二つにされてしまったのである。 「「ゆ゙びぃげgfpg!い゙おgjおげgljh〜ぃ゙」」 左半分と右半分からそれぞれ悲鳴が聞こえる。 何を言ってるかは解からないが、「ゆびぃ!いたい〜」っとでも言ってるのであろう。 男はれいむと下敷きの設置面を瞬間接着剤で固めていく。 そして餡子を吹き出す可能性が高い目と口も同様に接着剤で塞いでやる。 本当なら口から塞ぐほうがよいのだが手馴れた人ならどちらからやってもかまわない。 目を塞ごうとするとれいむは反射的に目を閉じようとする。 しかし、男の指にまぶたを押さえつけられ目に直接接着剤を塗られることになった。 「ゆ゙っgklっ!ゆ゙qぁlっ!」 何を言ってるかは依然としてわからないが綺麗に切り落としたのでまだまだ元気である。 悲鳴を聞けなくなるのは残念だが、口も塞いでやる。 ここで男はこだわりを見せる。 唇を塞ぐほうが圧倒的に簡単なのだが喉の奥を接着剤で固めることにより、 れいむは餡子を吐き出すことが不可能となる。 「・・・・・・!」 これによりれいむは口を動かすことはできるが声や餡子を吐くことは出来ない状態になる。 男は最後に注射機をれいむの頭に突き刺す。 ゆっくりの痛みによる膨張を防ぐための薬品がれいむに注入される。 これでゆっくり標本の山場は終わりである。 後で理由も説明するがゆっくりは激しい痛みに襲われると餡子を吐き出してしまうために ここまでの一連の作業は素早く行う必要がある。 あとは下敷きの余分な部分を切り落とせばゆっくり標本の出来上がりである。 ここから先はこの標本を使ってゆっくりが軽い理由をを説明しよう。 断面を見ると皮の部分と餡子の部分が見える。 餡子の部分は中枢餡子と通常餡子の2種類があるのだが、人間の目にはどちらも同じに見える。 餡子はゆっくりにとって生命を維持するために必要な物である。 この餡子は饅頭などに詰まっている餡子と似ているがまったくの別物である。 ゆっくりの餡子を顕微鏡で見ると、エアインチョコみたいな構造になっている。 ゆっくりが軽い理由の一つである。 皮にも同様に気体が存在し、このせいでゆっくりの体は見た目よりもかなり軽い。 そしてこの気体は空気よりも軽いために浮力が発生する。 このためゆっくりは長い滞空時間をもったジャンプをすることが可能である。 反面、地面の力を利用することが出来ないためにその動きは非常にゆっくりしている。 エアインチョコのような体の構造、空気よりも軽い気体が詰まっている。 この二つの理由によりゆっくりは見た目よりも非常に軽い。 しかし、ここで一つ疑問が残る。 そんなに軽い饅頭がなぜ水に入ると溺れるのか? ここで一つ実験をしてみよう。 男は一匹の子まりさを取り出す。 「ゆぅ?ここはどきょ?おじしゃんはゆっきゅりできりゅひと?」 まりさは男に色々と話しかけるが無視して持ち上げる。 「ゆ〜おしょらをとんでるみたい!」 まりさは始めて見る光景に感動する。 しかし、男が手を離すことによって一気に恐怖のどん底に落とされる。 ボチャッ 子まりさは水槽の水に着水する。 「ゆぴぃっ!ごぼぼっおぼりぇる!ごぼっ!おきゃ〜しゃんごぼっ!たしゅけちぇ〜!」 まりさはこの場にいない母に助けを求めるが当然いないものが助けに来るはずもない。 「おじしゃん!ごぼぼっ!まりしゃをたしゅけて!ごぼ!ったしゅけちぇ〜」 子まりさは男に助けを求めるが男は見つめているだけである。 「ゆぼぼっ・・・どぼじで・・・まりしゃごぼっ!もっちょゆっくりごぼぼぼぼ」 しばらくするとまりさは水の底に沈んでいく、沈んだ状態でもゆっくりは生きている。 しかし皮が破けることにより餡子が流出することにより死んでしまう。 水槽の底でまりさは体をよじらせたり跳ねようとしたりするがほとんど動けていない。 ゆっくりが水に沈む理由、 ゆっくりの体の中に存在する気体は水溶性が高く、水が浸水しやすい。 水を吸収してしまったゆっくりは非常に重くなる。 ゆっくりも水分を必要とするが取り過ぎた場合、普通なら体外に放出することが出来る。 しかし、雨などゆっくりの意思とは関係なく水分を吸収させられるような状況に陥ると、 ゆっくりは涙やしーしーすることにより水分を放出しようとする。 それでも間に合わない場合、体がどんどん重くなり最終的に動けなくなり雨に打たれて、 皮が破け、体外に餡子が流出して死ぬ。 水槽の中のまりさもそろそろ餡子が漏れ出したようである。 (まりしゃのあんきょしゃんでちぇいかにゃいでね!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!) まりさの願いもむなしく餡子はどんどんと流れ出てまりさのゆん生は終わりの時を迎えた。 (もっちょ・・・ゆきゅり・・・しちゃかっちゃ・・・) 最後のセリフも水の中では言うことができずに、まりさのゆん生は幕を閉じた。 エアインチョコのような体の構造、空気よりも軽く水溶性の高い気体、 この二つの特性のせいでゆっくりはゆっくりとしか動くことができない。 そして自然災害というか雨でも死にやすい。 そうでなくてもゆっくりは体に痛みを感じると餡子を吐き出して死んでしまう。 次は何故ゆっくりが餡子を吐き出すかを子ありすを使って説明しよう。 ありすの中身はカスタードだが、吐き出す理由は同じなので問題はない。 「ゆっきゅりしちぇいちぇね!」 ありすは特に警戒することもなく、男にゆっくりしていってねと挨拶をする。 男はありすの挨拶に対してでこピンで答える。 ビシッ 「ゆぴぃっ!」 ありすは悲鳴をあげて転がっていく、自分が何故こんな目にあったか解からないありすは 一瞬きょとんとした表情になる。そして次に何かがはじけたように泣きだす。 「ゆぴゃ〜あぁあぁ〜いちゃいよ〜!みゃみゃ〜っ!」 泣き喚く子ありすに対して男はものさしで殴り続ける。 「ゆびぃっ!・・・いちゃい・・・みゃみゃ〜!」 うざい泣き声でみゃみゃとか言うから殴り続ける男は手加減するのが大変である。 男は手を休めることなく殺さない程度にありすをビシビシと殴り続ける。 「ゆびっ・・・もうやめちぇ・・・ありしゅ・・・ちにちゃくにゃい・・・」 男が殴り続けて5分ほどするとありすの口からカスタードがもれ始める。 体の中が破れたり、口の中を切ったとかではない。 そうならないように手加減して殴り続けた。 しかし、ありすはカスタードを吐かないように必死で口を塞いでいる。 なぜか? ゆっくりは強い痛みやストレスを与え続けると、体内の気体が増量して、 餡子やカスタードを圧迫し始めるのである。 このありすは今まさにその状態である。 「ゆぴぃ・・・もうだみぇ・・・ゆぷびっ!」 ありすはガマンをしていたがついにカスタードを吐き出してしまう。 そこに強烈な一撃をさらに与える。 さらにカスタードを吐き出す。 「ありしゅ・・・しゅっきりしちゃかっちゃのに・・・もっちょゆっきゅり・・・しちゃかっちゃ・・・」 そう言ってありすは一度もすっきりすることもなくゆん生を終わらせた。 ゆっくりの中に詰まっている気体はゆっくり同様に謎が多い、 これを解明することによりなんたらかんたら・・・ おわり よくある設定談議の話でゆっくりの重さについて考えてみた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2613.html
多数の設定お借りさせていただいています セリフすっきり 出産要素 家族 ・赤ちゃん ***************************************************************** 赤ちゃんのゆっくり返し ***************************************************************** れいむは今までのゆん生を振りかえっていた。 やさしいおかあさんとたくましいおとうさん、 たくさんのおねえちゃんたくさんのいもうとに囲まれてゆっくりした日々。 おさんぽ途中に出会いひとめぼれしたまりさ。 思い切って告白したらまりさも好きと言ってくれた感動。 大好きなまりさと一緒にいれる毎日。 なら次にすることは…。 「ねぇ、まりさ」 「なに?れいむ」 「れいむたちゆっくりしてるけどさ」 「うん」 「あかちゃんがいればもっとゆっくりできない?」 「そうだね!あかちゃんがいればとってもゆっくりできるね!」 「じゃあ…しよ?きて…まりさ…」 「うんいまいくよ…」 「「んほおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりいいいぃぃぃぃぃ!!!」」 真夜中の山に響くゆっくりのクライマックスな叫び声。 行為が終わった後自分のお腹がふっくらと膨らんでいくのが目に見えた。 「ゆゆ?れいむにんっしんっしたよ!」 「やったねれいむ!かぞくがふえるよ!」 赤ちゃんが生まれたらどんなことをしようか。 一緒にいっぱいゆっくりできるご飯をむしゃむしゃしよう、 一緒にいっぱいおひさまに当たってぽかぽかしよう、 一緒にいっぱいおうたをうたおう、 一緒にいっぱいすりすりしよう、 一緒に…。 れいむが未来に見えるすばらしいゆっくりエブリディを想像している横で、 まりさはすっきり疲れか早々に寝込んでいた。 にんしんっしたその日かられいむは無性にお腹が減るのを感じた。 きっと赤ちゃんに栄養を欲しがっているんだ。 まりさにゆっくりできるご飯をたくさん取ってきてもらおう。 「あかちゃんのためにおいしいごはんをたくさんとってきてね!!」 「まりさがんばるね!」 まりさが外で頑張っている間は何をしようか。 そうだ、赤ちゃんがゆっくりできるようにおうたを歌ってあげよう。 「ゆっくりそだってね!あかちゃん!」 「ゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 おうたを歌い疲れて眠ってしまっていたところにまりさが帰ってきた。 帽子にたくさんのご飯が詰まっている。むしゃむしゃして赤ちゃんをゆっくり育てよう。 「ただいまれいむ!あかちゃんのためにたくさんむしゃむしゃしてね!」 「これであかちゃんがゆっくりできるよ!」 「じゃあいただきますを「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「もうぽんぽんいっぱいだよ!あかちゃんゆっくりそだってね!」 たくさんご飯を食べたらもうお空が真っ暗。 早く寝ないと赤ちゃんゆっくりできないよね。 「おやすみ!まりさ!あしたもゆっくりしていってね!」 赤ちゃんのため食っては歌い食っては眠りの生活が始まってからしばらくしたら、 お腹がにんっしんっする前の自分が入ってしまいそうなくらい膨らんだ。 たまに自分の意思に反してお腹がピクピクと動くことも増えてきた。 もうすぐ赤ちゃんに会える、とってもゆっくりした赤ちゃんに…。 そのためにはたくさんゆっくりしてあげないと! 「まりさ!きょうもよろしくね!」 「…うん!まりさがんばるよ!!」 ***** ところ変わってれいむのお腹の中。 すでに形の整った5匹の赤ちゃんが相談していた。 「おきゃーしゃんとっちぇもゆっくちしてるね!」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 「そのゆっくちにまりしゃはどうやっておかえちしようか」 「ゆゆーん♪そんにゃのかわいいれいみゅをみればいちころだよ!」 「まりしゃそれだけじゃたりないようなきがするよ!」 「「「「ゆゆ??」」」」 一番の親孝行はゆっくりしている自分を見せることだ。 それだけではいけないのか?他の赤ちゃんが驚いた。 「きょれだけおきゃーしゃんがゆっくちちてくれてるんだもん! まりしゃたちをみるだけじゃおかえちにならにゃいかも」 「「「「ゆー……」」」」 とってもゆっくりしているお母さん。 そんなお母さんをゆっくりさせるには自分を見せる以外のワンポイントゆっくりが必要。 そう感じて赤ゆっくりたちは考え込んだ。 「れいみゅゆっくちおもいついちゃよ!」 「どんにゃことしゅるの?」 「れいみゅきゃわいいことびゃをつかっちぇゆっくちしゃせてあげりゅよ!」 「どんにゃの?ゆっくちおしえちぇね!」 「こうやりゅんだりょ!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 「ゆゆーん♪しゅっごくゆっくちちてるね!」 赤れいむは舌っ足らずなしゃべりを磨きにかけることで、 母性本能ならぬゆっくり本能を刺激しようと考えた。 「まりしゃはわいるどにいくよ!」 「ゆっくちきににゃる!」 「『ゆっくちちていってね!』いがいのあいさつをしゅるよ!」 「かっきょいいね!」 赤まりさは『ゆっくちちていってね!』と言わずに、 自分オリジナルの挨拶を実行することで、 今までの赤ちゃんとは何かが違う感を出すことにした。 「れいみゅはへんかきゅうだよ!」 「へんきゃきゅう?」 「うちろからうまれりゅよ!」 「おきゃーしゃんもびっくちだね!」 普通ゆっくりの胎生型出産の場合、赤ちゃんは顔から出てくる。 赤れいむはその法則を覆すことによって、 お母さんに新鮮な驚きを与えようと考えた。 「まりしゃはかきぇにでるよ!」 「どんなかきぇかおちえてね!」 「おきゃざりをもっちぇいかないよ!!」 「ゆゆ!それはゆっくちできないよ!」 「ふっふっふ…まりしゃはちゃんとかんがえちぇるよ!」 飾りのないゆっくりは他のゆっくりにゆっくりできないゆっくりと言われる。 赤まりさはあえて飾りを捨てることにより、 この子はお母さんがゆっくりさせてあげなきゃだめだ、 と使命感を煽るように演出しようとした。 「れいみゅはなにかおもいついた?」 「れいみゅは…ひみちゅだよ!」 「もったいぶりゃないでゆっくちおちえてね!!」 「あとのおたのちみだよ!」 ***** 「むーしゃ!むーしゃ!しあわうっ!!」 まりさの持ってきたご飯を食べた直後、 お腹に今までに感じたことのない強い痛みが走った。 「いだ゛い゛い゛い゛!!れいむのぼんぼんさけちゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「れいむ!あかちゃんがうまれるよ!がんばって!!」 れいむの顎のあたりにぽっかり穴が空き、そこから赤ちゃんが見える。 しかしその穴は狭い、そこへその穴の2倍以上の大きさの赤ちゃんが通ろうとしている。 皮が引っ張られ今にもちぎれそう、痛みがゆっくりとゆっくりとれいむを蝕んでいく。 「うぐぐぐぐぐぐ!!」 「れいむ!あかちゃんだよ!あかちゃんのかおがみえたよ!!」 痛みで意識を失いそうな中、赤ちゃんという単語だけがれいむの精神をつないでいた。 早く赤ちゃんに会いたい!この思いがれいむの体を無意識に動かしていた。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!」 「れいむ!もうすぐだよ!あかちゃんでてくるよ!」 ポンッ! その音と共にれいむを蝕んでいた痛みが急速に引いていった。 ようやく辺りを見回す余裕を得られたれいむが見たものは…。 つぶらなおめめ、かわいいお口、しっとりと黒い髪に、 蝶のような大きなリボンを結んでいる。 まるで自分を見ているように思えるほどれいむに似た赤ちゃんだ。 赤ちゃんを産んだらまず何をするか、挨拶だ。 「ゆっくりしていってね!」とお互いに言いあうことではじめて、 お互いにゆっくりできる存在と認識することができる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 どうもおかしい。 うまくしゃべれない赤ちゃんでも「ゆっくちちていってね」くらいは言えるはずだ。 なのにこの赤ちゃんはそれすら言えてない。 これは聞き違いなんだ、もう一度やり直して…。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!! ゆゆ?おきゃあしゃんっはちょおうっちぇもぅゆっきゅちちちぇりゅにぇえ!! きゃひゃいひれいみゅをみちぇみょうぅちょゆっきゅちちちぇいっっち」 「うまくしゃべれないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「ゆべっ!」 なかなな挨拶ができない赤れいむにしびれを切らしたまりさは、 赤ゆっくりにあんよの一撃をくらわせる。 「みゃぢゃ…ゆっきゅち…ちちぇにゃいにょに…」 「ゆっくりしね!」 ギリギリ息があった赤れいむにとどめの一撃が炸裂。 あまりにも展開が早すぎてれいむの餡子は付いていけない。 そして、まりさの下につぶれている赤れいむを見つけた。 なんで?なんで?なんで?なんで? (「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」) 「ど…」 (「すーりすーり!おかあさんのほっぺとってもぽかぽかさんだよ!」) 「どぼじで…」 (「おかーさんのことだーいすきだよ!」) 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「ちゃんとしゃべれないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 ちゃんとしゃべれなくってこれから練習していけばいいじゃない。 ゆっくり見守っていけばいいじゃない。 それなのに…それなのに…それなのに…。 「れいむ!またあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 初回に穴がある程度広がったおかげか、 二回目の出産はそれほど痛みを感じなかったが、やはり慣れるものではない。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!」 ポンッ! 次に産まれてきたのは、 りりしい瞳、輝く金髪の上に形の良い山高帽をちょこんと乗っけた、 愛するまりさそっくりの赤ちゃん。 まりさに似てるんだ、だから挨拶もきちんとできるはず。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅ!」 え…? なんで挨拶出来ないのだろう。 もしかしてれいむのことを弄んでいるのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅっちゅ!!」 「あいさつをきちんとできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「おーっちぶじ!」 キチンと挨拶が出来ないとまりさに判断された赤まりさは早々に潰されてしまった。 愛するまりさに似た赤ちゃんがあっという間に餡子の塊へと姿を変える。 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「あいさつできないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 挨拶なんて所詮形式的な儀式のようなもの。 それができないがためにいきなり殺されるなんてあまりにも不条理だ。 ゆっくり挨拶を教えることもできたのに…できたのに…できたのに…。 「れいむ!またまたあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ??」ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!! 二回目の出産があれほど楽だったのだから、三回目はもっと楽だろう。 そうたかをくくっていたのだが。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!ゆーゆっゆー!!!」 「どぼじでうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 いくら力んでも赤ちゃんが出てくる気配がない。 まるで赤ちゃんが自発的に出る気がないように。 「れいむ!このあかちゃんおかおがないよ!」 「ぞんなわげないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛?! いだい゛い゛い゛ぼんぼんいだい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!!」 実に最初の出産の数倍の時間をかけてようやくポンッ!と赤ちゃんが産まれてきた。 その時出産の衝撃で一時的に空を飛ぶ赤ちゃんと一瞬目があったような気が…気のせいだ。。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 ちゃんと挨拶をしてくれた! 今まで挨拶が出来ないからってまりさが赤ちゃんをゆっくりさせちゃったけど、 ちゃんと挨拶できたからもうまりさは怒らないはず。 赤ちゃん、これからもずーっとゆっくりしていってね。 「ところであかちゃん」 「あかちゃんじゃないよ!れいみゅはれいみゅだよ!」 「どうしてうしろからうまれたの?れいむすごくくるしそうだったよ」 「あれはれいみゅがきゃわいくうまれてくるためにしちゃんだよ! とっちぇもゆっくちできちゃでしょ!」 「れいむをくるしめるあかちゃんはゆっくりしね!」 「きゃわいくってごべっ!」 まりさのあんよに潰されて物言わぬ饅頭となる赤れいむ。 何で?今度はちゃんと挨拶してくれたのに何が気に入らなかった? 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「おやをくるしめてはんせいしないあかちゃんはしょうらいゲスかくていだからだよ!」 ゲスになるかなんてこれからの教育次第でゆっくり決まるものじゃないか。 それなのに一回間違ったことをしただけでゲス確定なんて。 その理論ならなら自分はとんでもなくゲスな奴だ。 きっとまりさは焦っているんだ。なだめなきゃ、なだめなきゃ。 「まりざあ゛あ゛あ゛もっどゆっぐりじでよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「そんなことよりまたまたまたあかちゃんがうまれてくるよ!」 「ゆゆ?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 四回目の出産で、さらに先ほど無駄に力んだためか穴はもうガバガバ。 すんなりと産まれてきてくれた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 良かった。この子もきちんと挨拶できる。 ちゃんと苦しめずに産まれてくれたから、 きっとまりさも赤ちゃんのことを褒めてくれるはず。 このまりさに似たりりしい瞳に輝く金髪にその上にちょこんと乗った山高帽が………ない!? 「かざりがないあかちゃんはゆっくりしね!!」 「ゆべっ!」 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「かざりがないゆっくりはゆっくりできないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! ゆっくりかいのじょうしきでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 確かに飾りのないゆっくりはゆっくりできない。誰が誰かわからないからだ。 でもこの赤ちゃんは飾りがなくても確かに自分たちの赤ちゃんということがわかる。 それならば飾りなんて本来の意味での飾りだ。 「さっきからゆっくりできないあかちゃんばかりうんでるね!ばかなの?しぬの?」 「でもまだあとひとりあかちゃんがのこってるよ!」 「ほんとう?だったらゆっくりみせてね!!」 お腹の中にはあと赤ちゃんが一人残っている感覚がある。 最後までゆっくりした赤ちゃんだもの、見ればきっとまりさもゆっくりしてくれる。 そしたら三人で末永くゆっくりしよう。 「あかちゃん!ゆっくりうまれてきてね!!」 ***** 一方れいむのお腹の中では赤れいむがゆっくりしていた。 「あなさんがひらいちゃけどれいみゅはうまれにゃいよ!」 「みんにゃはうまれちゃったけれでも、れいみゅもうまれちゃったら おきゃーしゃんのぽんぽんがさみちくなるからうまれないよ!」 「おきゃーしゃんのなかにずっといる。れいみゅのことがみりぇなくても、 れいみゅがぽんぽんにいるだきぇでおかーしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「れいみゅおきゃーしゃんにあえないからさみちいけれども、 おきゃーしゃんをゆっくちできるならがまんしゅるよ!」 「おきゃーしゃんゆっくちしていってね!」 ***** 「あかちゃんはまだ?ゆっくりしすぎだよ?」 「どぼじであがぢゃんうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??」 なぜこんな時に赤ちゃんが産まれてくれないのか、れいむは考えた。 もう赤ちゃんはすでに死んでいる。これはない、確かに赤ちゃんの感覚があった。 赤ちゃんは弱すぎて出ることができない。これもない。手助けすれば絶対出れる。 こうなれば自発的に産まれるのを拒否しているようにしか思えない。 つまり、 「まりさ!あかちゃんはれいむのなかでゆっくりしたりないんだよ! だからあかちゃんのためにたくさんごはんをとってきてね!! 「だまれ…」 「あかちゃんはえいようがたりないとしんじゃうだよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 「だまれえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」 まりさは何てわがままを言っているんだ。 赤ちゃんはれいむたちをもっとゆっくりさせてくれる存在で、 そのゆっくりのために働くのは至極当然のことであって… 「おばえは!あかちゃんがでぎでがら!ずーっとばりざをえざをどってぐるどうぐみたいにじで! だまにのぞいだらおうだをうだっだりひるねじだりとおばえばっかりゆっぐりじでるじゃないか!!」 「でもれいむがゆっくりしないとあかちゃんは」 「ぞれはおおめにみるどじで!づがれでがえっでぎだばりざに! おばえはいだわりのごどばをがげだごどがあるか?!」 「あがぢゃんがでぎでがらおばえはいづもいづも「これであかちゃんがゆっくりできるよ」 とあがぢゃんのごどばがり!ばりざのごどなんでなーんもみでぐれない!」 「でもあかちゃんはだいじだよ?」 「ほらまだあがぢゃんのごど!!ばりざはおばえのどれいじゃない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!! じがもぜっがくのあがぢゃんはびんなゆっぐりできないやづら!! ごんなごどになるんだっだらおばえなんがどずっぎりじなげればよがっだ!!!」 「ど、どぼじでぞんなごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「どうもごうもあるが!!おばえのがおなんでにどどびだぐない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 そう言うとまりさは外に出て行ってしまった。 赤ちゃんのことを大切に思えないなんて恐ろしいほどのゲスだ。 でも今はそんなことより今は赤ちゃんの方が大事だ、早く赤ちゃんのためにむしゃむしゃしないと。 確か貯蔵庫に…。 「どぼじでごはんざんがないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!??」 きっとまりさがこっそり全部食べてしまったんだ。なんてゲス。 仕方ない、ならば自分で動いてご飯を取りに行くしか…。 ん?体が重くて動かない…。 「どぼじでれいぶあるげないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?? これじゃあごはんとりにいげない゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 ご飯をどうしようと考えていたら急に力が抜けてきた。 大きくなった赤ちゃんが今まで以上にれいむの栄養を吸収し始めたのだ。 「あがぢゃんんんんん!ずわないでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! おかあざんじんじゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 あ…目がかすんできた…。 れいむはもうだめなんだ。 赤ちゃん、一緒にすりすりしたかったなー。 「もっどゆっぐりじだがっだ…」 こうしてれいむは赤ちゃんの望み通り、 とーーーーーってもゆっくりすることができたとさ。 終 ***************************************************************** 自分のゆっくりできることを他人にしなさい。 聖ゆっくりの教えを産まれる前から実践できるってすごい。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ ゆっくりの伝道師 妄想お兄さん このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/498.html
「ゆっくり記憶していってね!」 「んんにゅふううううううううぅぅぅぅ!!!」 「んほおおおおおおおおおすっきりしちゃうよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 この日、二匹のゆっくりは同時に達した。 口からは涎、目からは涙、全身からなんとも形容しがたい体液を漏らしながら、びくびくと痙攣している。 「ゆふぅん……ゆふぅ…」 「す、すっきりしたよぉ…まりさぁ…」 余韻に浸る二匹。 思い出すのは、自分達が今までゆっくりしてきた記憶だ。 ゆっくりまりさとゆっくりれいむは、生まれたときから仲良しだった。 自分のお母さんであるまりさとれいむの仲がよかったために、この二匹も幼い頃から共に遊んでいたのだ。 片方が池に落ちると、もう片方が助ける。 片方が蜂に追われると、もう片方が隠れる場所を教えてあげる。 片方が人間の畑でゆっくりしてると、もう片方がその危険性を教えてあげる。 そんな風に互いが互いを支えあい、今までゆっくりしてきた。 この二匹が俗に言う『夫婦』の関係になったのは、今から二ヶ月前である。 昔から仲がよかったので、夫婦になってからも二匹は仲良くゆっくりしてきた。 一ヶ月前に見つけた今のおうちも、二匹にとってはぴったりだが… 今から生まれるであろう赤ちゃんも含めると、もしかしたら狭くてゆっくりできないかもしれない。 そしたら新しいおうちを探さなきゃね、と微笑む二匹。 そうこうしているうちに、れいむの頭から蔓が生えてきた。 そして数時間後。 「ゆ!!ゆっくりそだってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 赤ちゃん達が生まれるのを、今か今かと待ち望んでいるゆっくり夫婦。 何かが起こると感じ取ったれいむが、ぶるぶると震え始めた。 「ゆ!?…ゆゆゆゆゆゆゅゅゅ…」 ぷちっ! ぽとん!! 「ゆ!ゆっきゅりちていってね!!」 「う、うまれたよ!!まりさたちのあかちゃんがうまれたよ!!」 喜びを隠せないまりさ。 一匹目の誕生に続いて、次々と赤ちゃんが蔓から落ちていく。 「ゆぷ!ゆっきゅいちていってね!!」「ゆっくりちていってえ!!」 生れ落ちたのは、合計5匹のゆっくりれいむだった。 自分と同じ種がいないことにまりさは少し寂しく感じたが、自分の子供が無事生まれたことを思えば些細な ことだった。 「みんな!!いっしょにゆっくりしようね!!」 涙を流しながら呼びかける母れいむ。 それに答えるようにして、子れいむたちは一斉に声を上げた。 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 その姿こそ、親ゆっくりにとって最高の幸せ。 二匹のゆっくりは涙を流しながら、頬をすり合わせていた… 数ヵ月後。 すくすくと成長した子れいむたちは、母れいむの半分ぐらいの大きさになった。 もう親に頼らず、自分で餌を取るようになる時期である。 「ゆっくりいってくるね!!」「ごはんたくさんたべるよ!!」 「みんな!!ゆっくりきをつけてね!!」 5匹の子供たちを見送る、母れいむとまりさ。 野性の世界で、親が二匹とも無事でいられるのは珍しいことだ。 大抵は交尾の段階で片方が朽ちるか、子供の成長を待たずして捕食種や他の野生生物の犠牲となってしまう。 そういった意味で、この一家は他のゆっくりに比べれば格段に幸せだった。 「ゆゆゆぅ…れいむぅ…いっしょにすっきりしようねぇ!」 「ゆふん、いいよぉ…でももっとおくにはいろうね!」 子供たちが視界から居なくなったのを確認して、互いに誘い合って巣の中へと入っていく二匹。 今いる子供たちももうじき独立するだろう。ならば、親のするべきことは新たな子供を作ることだ。 二匹は完全にその気だったのだが…第三の声が、二匹を邪魔した。 「やあ!!ゆっくりしてるかい?」 「ゆゆ!?」 巣の外からの突然の声に、二匹は驚いた。 これからすっきりしようというのに、どうして邪魔をするのか。 知らない人が居たら、気になってすっきりできないではないか! すっきりモードに入っていた二匹は、来客に対して大いに不満を漏らした。 「ゆ!!おにーさん!!じゃましないでね!!」 「これからまりさとれいむはすっきりするんだよ!!ゆっくりどっかいってね!!」 「あぁ、ごめんごめん…そうか、君達には子供がいるんだね。じゃあ子供が戻ってくる頃にまた来るよ!」 そう言って立ち去ろうとする、見知らぬお兄さん。 「もうにどとこないでね!!」「すっきりをじゃましたおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 巣の出口までやってきて、お兄さんを罵倒する二匹。 お兄さんはそんなの気にせずに去っていき…二匹の視界から完全に消えた。 「ゆふん…これでやっとすっきりできるよぉ…♪」 「まりさぁ、ゆっくりおくにいってすっきりしようねぇ…♪」 夜。ご飯を食べ終えて、一家で眠ろうという時間帯だ。 昼間の交尾では赤ちゃんは出来なかったが、チャンスはいくらでもある。 二匹は何とかして、新たな赤ちゃんを授かろうと考えていた。 「ゆ!!れいむいもうとがほしいよ!!」 「おかーさん!!ゆっくりいもうとをうんでね!!」 「ゆゆ…おかーさんたちがんばるからね!!ゆっくりまっててね!!」 と、家族計画を話題に談笑する一家。そこへやってきたのは… 「お!今度は子供たちも揃ってるね。ゆっくりしていってね!!」 昼間すっきりを邪魔したお兄さんだった。 「ゆゆ!?ゆっくりしていってね!!」 とりあえず本能に従って挨拶を返す子れいむたち。 それに対して、親二匹はお兄さんに対して明らかに警戒心を示していた。 「ゆ!?おにいさんはだれ!?ゆっくりできるひと!?」 「ゆっくりできないならでていってね!!ここはまりさたちのおうちだよ!!」 ゆっくりたちにとっては、ゆっくりすることが全てである。 ならば、ゆっくり出来ない者は人間であろうと何であろうと、自分の家に入れるわけにはいかない。 親二匹は、ゆっくりの本能に従って…そして、親としての責任をもって、外敵を排除しようとしていた。 「いや、お兄さんはゆっくりできるよ。皆をもっとゆっくり出来る場所に案内しようと思ってね」 「ゆゆ!?ほんとう?おにーさん、はやくれいむたちをゆっくりできるばしょにつれてってね!!」 あっさりとお兄さんに懐柔されてしまう子れいむたち。 『ゆっくり出来る』という言葉を聞いて、親二匹も興味を持ち始めた。 「れいむもいくよ!!はやくゆっくりしたいよ!!」 「よしよしわかった。今から案内するからついて来てね」 一家は笑顔でお兄さんのあとについていく。 だが、この行動が一家の命取りになることを…一家はまったく予想できなかった。 お兄さんに招かれて、お兄さんのおうちに入っていく一家。 案内された部屋は冷房が効いていて、しかもとても広かった。 「ゆゆ!!すずしいね!!」「ここならゆっくりできるよ!!」 「おかーさん!!おうたうたって!!」 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆゆっゆ~♪ゆーゆゆーっ♪」 母れいむの歌を聞いて、楽しそうに踊る子供たち。 遠くから眺めているまりさも嬉しそうだ。 「ここをれいむたちのおうちにするね!!」 「きょうからここがまりさたちのおうちだよ!!」 「「みんなでゆっくりしようね!!」」 あまりにも快適なので、すぐにここを自分達の家にすることに決めた。 お兄さんも笑って賛成してくれたから、れいむたちはとても安心していた。 それから一週間。 気がつくと、母れいむが居なくなっていた。 「おにーさん!!おかーさんがいなくなっちゃった!!」 「れいむがいないよ!!どこにいったの!!」 優しいお兄さんは、優しく説明してくれた。 「皆のお母さんは病気を治すために、僕が狭い箱に入れてあげたんだ。今は別の部屋でゆっくりしてるよ」 「ゆ!!おにーさんがびょうきをなおしてくれるの!?」 「おにーさんやさしいね!!」 感謝の声を上げる一家に対し、お兄さんは説明を続ける。 「病気が治ったらすぐに箱から出してあげなきゃいけない。 みんなだって、狭い箱に閉じ込められたままなんて、いやだよね!」 「ゆゆ!!いやだよ!!」「せまいところじゃゆっくりできないよ!!」 「でもね、箱の中から出るには鍵を開けなきゃいけない。皆にはその番号を覚えて欲しいんだ!」 お兄さんはニヤッと笑う。 一家は最初困惑して、お互いの顔を見合わせたが… 「れいむおぼえるよ!!ゆっくりおしえてね!!」「ゆっくりおしえてね!!」 お母さんのためなら、多少の困難は乗り越えられる。 根拠の無い自信を持っている子れいむたちとまりさは、お兄さんの願いを受け入れることにした。 「よし、今から言うからゆっくり覚えてね」 「ゆっくりおぼえるよ!!」「れいむもおぼえるよ!!」 「その番号は…115だよ!」 『いち・いち・ご』 その番号が、一家のゆっくりメモリーに刻まれる。 「いちいちご、だね!!」「いちいちご!!ゆっくりおぼえたよ!!」 「みんな覚えたかな?それじゃあお兄さんはもう番号を忘れちゃうからね。 みんなが番号を忘れちゃったら、お母さんは箱から出られなくなっちゃうよ!!」 「だいじょうぶだよ!!れいむぜったいわすれないよ!!」 「れいむもわすれないよ!!こんなかんたんなばんごう、わすれるわけないよね!!」 えへんと胸を張って、子れいむは自信を見せた。 「そうだよね!!お母さんを助けるための、たった3桁の番号を忘れるわけが無いよね!!」 お兄さんはケラケラと笑っていた。 さらに一週間。 母れいむはまだ戻ってこないが、残された子供たちとまりさは仲良くゆっくりしていた。 今までは自力で食料を調達する必要があったが、今となってはそれは不要な努力だ。 なぜなら、好き勝手にゆっくりしていればお兄さんが食べ物を持ってきてくれるからだ。 以前は母れいむが歌を歌っていたが、今は代わりにまりさが歌を歌ってあげる。 「ゆゆ~ん♪ゆっゆっゆ~ん♪」 「おうたじょうずだね!!」「もっとうたってー!!」 母れいむほど上手ではないが、まりさの歌も子れいむたちにとってはお気に入りだった。 お兄さんは、部屋の中で退屈している子れいむたちの遊び相手にもなってくれた。 特に子れいむたちが気に入っているのは、一匹ずつ手のひらに乗ってお兄さんと部屋中をお散歩することだ。 「わぁい!!おそらをとんでるみたい!!」 この時だけは、普段なら経験できないほど高い場所から周りを見渡すことが出来る。 子れいむたちは、まるで自分が鳥になったような気分だった。 「はやくおりてきてね!!つぎはれいむのばんだよ!!」 「ちがうよ!!こんどはれいむがのるんだよ!!」 順番をめぐって言い争う子れいむたち。 そんな子供たちを、お兄さんは優しくなだめる。 「喧嘩はしないでね。ちゃんと全員乗せてあげるからさ」 「わーい!!おにーさんはやさしいね!!」「おにーさんだいすきー!!」 そういうと、お兄さんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。 そしてある日、お兄さんが透明な箱を一家の目の前に置いた。 その中には… 「みんな!!ゆっくりあいたかったよ!!」 一週間前から別の部屋でゆっくりしていた、母れいむの姿があった。 「ゆゆ!おかーさんだ!!」「おかーさん!!さみしかったよぉ!!」 あっという間に箱のまわりに群がる子れいむたち。 後からやってくるまりさも、嬉しさが顔全体に染み渡っている。 「まりさ…」「れいむ、ゆっくりまってたよ!!」 そして全員でお兄さんを見上げる。 「おにーさん!!おかーさんをここからだしてあげて!!」 「れいむをだしてあげてね!!これからぜんいんでゆっくりするよ!!」 すると、お兄さんは満面の笑みでこう言った。 「そうだね。それじゃ皆でお母さんを出してあげてね!」 「ゆ…?」 最初、皆はどういう意味か分からなかった。 お兄さんは、分かるようにゆっくり説明してくれる。 「この前教えてあげた番号、覚えてるよね。その番号をお兄さんに教えてくれれば、開けてあげられるよ」 「……………ゆ?」 不思議そうな顔をする一家。 …しばらく考え込んで、ある子れいむが飛び上がった。 「ゆゆ!!ずっとまえにおにーさんにばんごうをおしえてもらったよ!! そのばんごうがわかれば、おかーさんはそとにでられるんだね!!」 「そうだよ、よく分かったね」 褒めるお兄さん。しかし、問題はその後だった。 「みんなゆっくりばんごうをいってね!!おにーさんにばんごうをおしえてあげてね!!」 箱の中の母れいむは早く出たいのだろう、まわりのゆっくりたちを急かす。 しかし、母れいむを除く一家は考え込んだまま何も言おうとしない。 「ゆゆ!!ばんごうおぼえてるでしょ!?ゆっくりおしえてね!!」 「ゆぅん…ゆっくりわすれちゃったよ!!まりさおかーさんは!?」 「ゆゆゆゆゆ………あ、おもいだしたよ!!いちごだよ!!」 「は?イチゴ?」 まりさの答えを聞いて、お兄さんは困惑顔だ。 「番号は3桁なんだよ。まりさは『15』の2桁しか思い出せなかった。 きっと十五とイチゴの語呂合わせで覚えたんだね。でも、あと1桁分からないと開けられないよ!」 「ゆぎゅうううううう!!!どおしてわすれちゃったのおおおおおおお!!??」 母まりさが、悲痛な叫びを上げる。 番号がわからない状態で一番困るのは自分だから、当然といえば当然だ。 「ゆゆ!ごめんね!!でもおもいだせないよ!!わすれちゃったよぉ!!」 「ばかばか!!みんなのばか!!そんなばかなこたちとはゆっくりできないよ!!」 顔を真っ赤にして激怒する母れいむ。 でも、箱から出てこられないのでまったく怖がらない子れいむとまりさ。 「でもおかーさんがはこのなかにいても、れいむたちはゆっくりできるよ!!」 「そうだね!!そばにいるならだいじょうぶだよね!!」 「おかーさんはずっとそのなかにいてね!!れいむたちはそのまわりでゆっくりしてあげるよ!!」 必死な母れいむとは正反対に、あっさりと諦める子れいむとまりさ。 母れいむの呼びかけもむなしく、まわりのゆっくりたちは勝手にゆっくりし始めた。 「どおじでええええええええ!!!がんばっでおぼいだじでよおおおおおお!!!」 「おかーさんはそこでがまんしてね!!れいむたちがおうたうたってあげるからね!!!」 「うたはいらないのおお!!こんなせまいところでゆっぐりでぎないいいいいいい!!!」 「ゆ~ゆゆ~ん♪ゆゆ~yぶぎゃあ!!??」 歌が途中で途切れた。 歌っていた子れいむのほうを見ると、お兄さんの拳が子れいむだったものを押しつぶしている。 ニコッと微笑むお兄さんがその拳を上げると、その手から餡子がボトリと落ちた。 「ゆぎゃあああああああああ!!!まりざのごどもがああああああああああ!!!」 「おにーさんひどいいいいいいいいい!!!どおじでぞんなごどずるのおおおおおお!!??」 「まったく…大切なお母さんを見捨ててゆっくりするなんて、酷いなぁ!」 怒っているようだが、顔は相変わらず笑っている。 お兄さんは立ち上がると、逃げ惑う子れいむたちを片っ端から潰し始めた。 「ゆぎゃッばびぃいいいいいいいいい!?」 「まったく!!」 「ぐべえああああおあおあおあおあおあ!!!」 「お母さんを何だと思ってるんだ!」 「ふぎゅおうおおあおあおあおあおおお!!??」 「しかも番号を忘れちゃうなんて…!」 「るばっやああああああああああああ!!??」 「どうして!!たった3桁の番号を…君達は忘れちゃうんだ!?」 子供を全て潰し終えると、お兄さんは立ち上がる。 お兄さんは、泣いていた。顔は笑っているが、泣いていた。 箱の中の母れいむの横で、まりさはお兄さんの顔を見上げる。 「ゆ?おにーさん……ないてるの?」 子供を潰された怒りよりも、目の前のお兄さんが泣いていることに対する興味が勝った。 今まで自分をずっとゆっくりさせてくれたお兄さん。 子供を全員殺されたが、お兄さんが泣いている原因を解決すれば、またゆっくりさせてくれるかもしれない。 そんな期待がまりさにはあったのだ。 「ゆっくりなかないでね!!まりさがなぐさめてあげるよ!!」 「……」 お兄さんは無言でまりさのほうへと歩み寄る… が、まりさの横を素通りして、箱に収まったれいむの目の前に座り込んだ。 「ゆ!?おにーさん!!ばかなこどもをころしてくれてありがとう!! こんどはゆっくりここからだしてね!!」 もはや母れいむの関心は、ここからどうやって脱出するか…そのひとつしかない。 自分を見捨てた子供も…かつて愛を誓い合ったまりさも、もうどうでもよかった。 「ふふふ…あっはははははははははははは!!!」 お兄さんは優しい笑顔のまま、狂ったような笑い声を上げる。 母れいむとまりさは、完全に怯えきってしまった。 まりさに至っては、恐怖のあまり硬直してしまってその場から逃げることも出来ない。 「どうして!!どうして君達はそんなに馬鹿なんだ!! 3桁の!!たった3桁の!!簡単な番号を!!どうして忘れるんだアアアアアァァァァァァ!!!!!」 バァンッ!!! 箱を思い切り叩くお兄さん。母れいむがびくっと震える。 お兄さんは何かを発散しようとしているようだった。 内に秘めた黒い感情を、すべて消化しきってしまおうとしているようにも見える。 「あぁゾクゾクするよ!!君達の馬鹿っぷりにゾクゾクするよ!! どうして君達は到底敵わない人間に喧嘩を売るんだ!!どうして人間の作物を荒らすんだ!? もうどうしようもない馬鹿だ!!可哀相で可哀相で、笑いが止まらないよおお!!! 君達はどうして!!どうして!!どうしてどうしてどうしてどうして!!! どうしてそんなに!!!馬鹿なんだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!???」 大声とともに腕を振り下ろすお兄さん。 居場所が悪かったためか、その腕がまりさに直撃し… 「ゆぶぎゃあああああ!!??」 まりさは破裂した。あっけない最期だった。 「ゆゆ!!ゆっくりやめてね!!ゆっくりここからだしてね!!」 「ふふふ…出せるわけないだろう。あの子達が、番号を覚えてなかったんだから…」 くくくと笑うお兄さん。顔は優しい笑みだが…その笑い声に、唯一生き残った母れいむは恐怖する。 「でも安心してね。れいむはこの中にいればずっと安全だよ。お兄さんも守ってあげるからね」 「ゆゆ!!やめて…ここじゃゆっくりできない……ゆっくりだしてよ!」 お兄さんは笑みを崩さず、首を横に振る。 そしてれいむが収まっている箱を抱きしめて、その場に寝転がった。 「馬鹿な子供たちは殺してあげたよ。馬鹿な恋人も殺してあげたよ。だかられいむ…お兄さんとずっとゆっくりしようね」 一体何をどこで間違えたのか。 母れいむは必死に記憶をさかのぼるが、どうしてもわからない。 どこをどうすれば、こんな目にあわずに済んだのか… 餡子脳の記憶容量では、さかのぼれるのはせいぜい数週間前まで。 唯一わかるのは、いまさら考えても遅いということだけだ。 れいむの入った箱を優しくなでる優しいお兄さん。 その笑みは、狂気に蝕まれてる。 「ふふふ…れいむ…君は一生その中でゆっくりしていってね!」 「イやだよおおおおおおオオオオオおおおおおおお゛お゛お゛お゛!!!!」 その日から。 れいむはずーっと、お兄さんとゆっくりし続けた。 晴れの日も、雨の日も、風の日も、雪の日も。 れいむは箱の中で、狭い箱の中でゆっくりし続けた。 出して、と言ってもお兄さんは出してくれない。 定期的に食べ物を与えられて、ゆっくりし続けるだけ。 お兄さんが、おじさんになって。 おじさんが、おじいさんになって。 その間も、れいむは窮屈な箱の中でゆっくりし続けた。 ある日、おじいさんが二度と目覚めなくなった。 おじいさんが布団の中からいなくなって…れいむだけが取り残された。 れいむはとてもお腹がすいてきた。そのうち意識も朦朧としてきた。 迫りくる死の影を目の前にして…れいむはやっと安堵の表情を浮かべて、こうつぶやいた。 「ゆっくりしていってね…!」 あとがき 優しいお兄さんを書いてたら、いつの間にか変なお兄さんになってたよ!! ゆっくりしていってね!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/733.html
ゆっくりとりひきしていってね!1 その日は大雨だった。 「・・・」 少年は傘も差さず大きなゴミ箱をじっと見つめていた。 ゆっくりを捨てる為のゴミ箱。 厳密には捨てるわけではなく、加工場の従業員の回収する手間を省く為の箱。 その中で何匹ものゆっくりが騒いでいる様子が見て伺える。 しかし、この箱の中は完全防音の為その声が外に届くのは箱を開けた時だけ。 少年は何を血迷ったのか、その箱を開けた。 「「「「「ゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」」」」」 一気に騒がしくなる。 しかし幸い周囲に人はいない。 少年はその中から二匹のゆっくり、れいむとまりさを持ち出した。 「ゆ!おにいさんだあれ?ゆっくりできるひと?」 「おにいさんはたべものをおいてまりさにおうちをわたしてでてってね!!」 少年は2匹を腕で抱え込み、静かにその場を後にした。 少年は、一人だった。 少年の両親はつい最近、事故でこの世を去ってしまった。 少年は留守番を頼まれていた。慣れていたことだった。 少年に、両親の遺産が託された。 どんなに遊びほうけたとしても、一生を生きることが可能な程。 ※細かい設定はスルー、少年は一人暮らしになったとさ※ そして、今現在。 少年は流石に一人だと嫌なのかまた別の目的か、二匹のゆっくりを家に連れてきた。 「ゆ!!ひろいおうちだね!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 「ゆ!?ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!れいむはとっととでてってね!!」 「ゆ・・・?じゃあふたりでいっしょにくらそうよ!そうすればたのしいよ!」 「ゆゆっ!れいむがいいことをいったよ!なかよくくらそうね!」 「「じゃあおにいさん、さっさとでてってね!!!」」 勝手に二匹で会話を進行した挙句、ここまでつれてきた少年を追放しようとするゆっくり。 少年は無言のまま、2匹をケースに入れた。 「ゆ!?おにいさんなにするの?れいむにさっさとおやつをもってきてね!」 「ゆゆぅ?おにいさん!ここはせまいよ!まりさをさっさとここからだしてね!!!」 「そこが今日からお前達の部屋だ」 少年が初めて口を開く。 その声は暗く、大人びた声。とても少年の発する声とは思えない。 「ゆ!いやだよせまいよ!こんなせまいところだとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!ゆっくりさせてくれないおにいさんはとっととしね!!」 少年は無言でケースにくず野菜を放り投げる。 「ゆゆゆゆ!!おやさいだ!!おにいさんありがとー!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー♪」 「ゆ!まりさずるいよ!ひとりでかってにたべないでね!!」 「ゆぅ!ごめんねれいむ!いっしょになかよくたべようね!!」 「「むーしゃ♪むーしゃ♪むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせしあわせー♪」」 2匹はケースのことを忘れていた。無理もない。所詮は餡子脳、いいことがあれば悪いことなどすぐ忘れる。 そうして2匹は満腹になり食事を終えた。 「ここならゆっくりできるね!おいしいおやさいくれたおにいさんはいいひとだね!」 「そうだね!おにいさんがきたらもっとおやさいもらおうね!!でもきょうはおなかいっぱいだね!あしたもらおうね!」 少年は舞い降りた。 ゆっくりケースの目の前のテーブルに豪華な食事を並べて。 「ゆ!!おにいさん!!そのたべものなあに!?」 「どおしてまりさたちにくれなかったの!?おやさいよりそっちがいい!!すごくおいしそうだよ!!」 「満腹・・・なんだろう?分けようとは思ったのに満腹じゃあ仕方ない。これは全部俺が貰うよ」 それだけ言うと少年はケーキにナイフを入れ始める。 少年はデザートが大好きらしい。 「ゆゆ~!!おにいさんだけずるいよ!!れいむたちにもちょうだいよ!!」 「おにいさんはいじきたないよ!!いじきたないなんていわれたくなかったらまりさたちにもちょうだいね!!」 デザートタイム、終了。 少年はゆっくりに近づき、提案する。 「お前達・・・食事が欲しいのか?」 「ゆ!もちろんだよ!はやくりかいしてね!!」 「お前達にただで食事をやるのはさっきまでだ。今からは取引だ。」 「おにいさんはまりさたちにおいしいものをもってくればいいんだよ!!はやくもってきてね!!」 少年の目は光を失くした。 「なら、そこでのたれ死ね。お前達に一切食事を出すことはない。」 少年は冷たく言い放つと、その場を後にしようとする。 流石にゆっくり達も食事が出来ない怖さを知ったのか、 「ごめんなざいおにい”ざん!!!!あや”まるがらゆるじでえぇえ!!!!」 「まりさ”がわるがった”でずう!!ゆるじでええええ!!!!!!!!」 少年は再び舞い降りた。 「ならば条件を出そう。取引できるものを書いた紙をここに貼っておく。 食事がしたい時はこの呼び鈴を押してこの紙に書いているものを俺に渡せばそれ相応の食事を用意してやる。」 そういうと少年はその紙を貼り付け、呼び鈴をセットし、その場を後にした。 ゆっくりたちはその紙を眺める。 「なにをわたせばいいんだろうね?」 「まりさたちなにももってないんだぜ・・・」 ------------------------------------------------- 生ゴミ・・・ゆっくりの頬一切れ くず野菜・・・ゆっくりの頬三切れ 果物・・・ゆっくりの「中身」15% 3日分の食料・・・ゆっくりの赤ん坊(生後すぐの物以外は認めず) 1週間外出許可証・・・ゆっくりのりぼんやぼうしなど --------------------------------------------------- 「・・・ゆ?」 2匹は固まっていた。 意味が分からない。 とりあえず、呼び鈴を鳴らす。 「早速か。どれがいいんだ」 「おにいさん!これ、よくわからないよ!!いみがわからない!!!・・・ゆ?」 それを聞いた少年の顔が…変わった。 楽しそう、しかし悪魔の様な顔。笑っているが、怖い。 「ゆっ・・・!?」 「おに・・・いさん?」 「じゃあ説明しよう・・・取引に関して」 「まず生ゴミ。生ゴミは不味いが食べれば死なない。ただ生き残りたいのならこれを選べば良い。 生ゴミを食べる代わりにお前達の頬を一つ、千切って俺が貰う。それで生ゴミの取引は終了」 「次にくず野菜。さっき食べたやつだ。これは栄養もそこそこあって食べればまあ満足だろうな。 その代わり、お前達の頬を3回、千切らせてもらう。それでくず野菜は終了」 「次は果物か。果物は美味しくてなおかつ栄養もくず野菜とは桁違いだ。かなりゆっくりできるだろうな。 しかし、果物の場合はお前達の中身を結構いただく。」 「ちょっとまっておにいさん!!」 「・・・ん?」 「なかみってなあに?」 少年の顔がさらに黒くなってゆく。 「お前達の中身。お前達の中にあるものをいただく。ただそれだけ。次に進む。」 「いみがわかr まりさの言葉はかき消された。 「次に3日分の食料・・・豪華だ。美味くて栄養もあってそれが3日分もある。食べ過ぎても2日はゆっくりできる。 その場合・・・お前達の子供、それも赤ん坊限定で俺に提供しなければいけない」 「でも・・・まりさたちはこどもがいないよ!それじゃむりだよ!!」 「作ればいいさ」 「ゆゆ!!そうだね!!!おにいさんさすがだねA!!!」 しかし、れいむの顔色は優れない。分かっているようだ。 「お・・・おにいさん、それは・・・れいむたちのつくったあかちゃんをおにいさんに・・・」 「そう。お前達の赤ん坊はその気になれば食料に代わる」 「いや”だああああああ!!!!!!あかぢゃんいあやああああああ!!!!!!」 れいむは泣いた。これは普通の反応である。自分の子供をお兄さんにあげるなどとなれば、当然。 しかしまりさは違う。その気になれば平気で仲間を裏切る性格。自分の為ならたとえ赤ん坊でも容赦しないだろう。 「さーて、最後の説明だ。心して聞け。 この1週間外出許可証・・・これは1週間だけ外に出してやる。 その間は自由だ。ただしその間ここには戻れない。 そしてこの外出のスタート地点は森の奥だ。 そのために必要なものは・・・おまえたちのリボン、帽子」 ここについては疑問を抱かないゆっくり。 まあ仕方ない、これについてはよく分かっていないのだろう。 「ゆっくり理解したか?じゃあな」 少年はじぶんの部屋へと戻っていった。 「れいむ!どおする?きょうはもうおなかいっぱいだからいいけど・・・・」 れいむは即答した。反射反応のように。 「さんにちぶんのたべものはだめだよ!!!ぜったいだよ!!!!!」 その顔はただ頬を膨らませているだけであるが、ゆっくりからしたら相当の迫力のようだ。 まりさは恐れをなした。 「ゆ・・・わ・・・わかったよ!ゆっくりりかいしたよ!」 「りかいしたならいいんだよ!いっしょにゆっくりしようね!!」 「ゆー!!」 こうして2匹のゆっくりの新たな生活が始まる。 本来ならば加工所送りにされていた二匹。 それが吉と出るか凶と出るか・・・それはまだしったこっちゃねえや ゆっくりとりひきしていってね!1 終 続く _____________________ 今回あとがきはそんなになしです。 代表作 ゆっくり大福作ってみた このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4903.html
※俺設定注意 「ゆぐぐっ・・・うばれるぅ・・・!」 「ゆっ!がんばってね、れいむぅ!」 ミチミチ。ミチミチ。 どこにでもある光景。狭い穴ぐらの中、一匹のゆっくりれいむが赤ん坊を産もうとしていた。 ちなみに胎生出産である。 れいむの顔、その下膨れを押し開き赤ちゃんが顔を覗かせている。 表情はまさにゆっくり。これから自分のゆん生には希望しかないと言わんばかりの満面の笑顔だ。 もうこの時点で鬼意山ならば爪先を百ぺんほどぶち込んでいるだろう。 まぁしかしここには鬼意山どころか妖怪、人間の姿さえ無いのでそういう愉快な事にはならない。本当に残念である。 とか何とか言ってる内に、そろそろ赤ちゃんが出てきそうだ。 どうでも良い事だが出産の痛みによってれいむの顔面は相当面白い事になっている。 「ゆぁっ・・・うばれぁっ!!」 「ゆゆ〜〜〜ん!!!まりさのあかちゃんがうまれるよぉっ!!」 スッポーーン。 コルク瓶の栓を抜いた時に似た軽快な音と共に母より撃ち出される赤ゆっくり。 「『出産』っつーより『射出』じゃねぇのコレ?」と疑問がよぎりそうなほど綺麗な放物線を描いて飛んでいく。 「あがちゃんっ・・・!ゆっぐり、ゆっぐりじでいっでねぇっ!!!」 「まりさのあかちゃん!ゆっくりしていってね!!!」 息も絶え絶えだが、それでも尚赤ちゃんのために挨拶を送るれいむ。 生まれ落ちてきた我が子の為に、生涯最高の笑顔を浮かべるまりさ。 両親の祝福を受けながら、未だ飛行中の赤ゆっくりもそれに応えようとする。 「ゅっ・・・ゆっくちちちぇいっちぇ『パン!』ゆびゅぇっ!!!」 爆裂。 四散。 炎上。 赤ゆっくりは地面に到達する事無く、その生涯を終えた。 享年2秒であった。 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?あがぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!?」 「どぼじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇぇぇ!!!?」 何が起こったのか分からぬ親ゆっくり達。 そりゃそうだろう。何も無い所でいきなり赤ちゃんが爆裂四散したのだから。 「・・・・・・ゆぐっ!!?う、うばれる!!まだうばれるよおおぉぉぉっ!!!」 「ゆうっ!!?がんばっでね゛ぇ、れいぶぅ!!」 が。 その後生まれた子供達も全て、空中で炸裂、または産道から顔を覗かせた時点で四散してしまった。 「どぼじででいぶのおちびぢゃんがあああぁぁぁ!!!?」 「なんでゆっぐりじでぐれないのおおおぉぉぉっ!!?」 もはや燃えカスとなった我が子たちを見ながら親ゆっくり達は絶望した。 親ゆっくり達には赤ゆっくり達が突然死んだように見えたが、実はちゃんと理由があるのだ。 赤ゆっくり達は殺された。ある存在に打ち負かされ、否定され、そして燃やし尽くされた。 ではその存在とは・・・・・・それは、大気を漂う『水の分子』である。 もう人間がどうだとか、捕食種がこうだとか言うレベルではない。 ゆっくりはその脆弱さを極め、とうとう分子にすら敗北したのだ。 この調子でいけば原子一個に負けるのも時間の問題であろう。 悲劇――喜劇?――はこれだけで終わらなかった。 この日を境に、世界中のゆっくりが窮極の進化を遂げたのだ。 弱者たるゆっくりの最終進化。 この世の構造そのものに耐え切れない泡沫の存在。 それから間もなくゆっくりは絶滅した。 ――――― 書き溜めです。パクっちゃったZE☆ 『本当に弱い』ってのはなァ!!こういうレベルの事を指すんだよォッ!! このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1411.html
ゆっくり輪廻転生していってね! 「ううん、いい陽気だねえ」 そう言いながらお日様に向かって伸びをする少女が一人。けしからん物体が揺れる。 彼女の名は小町。三途の川の渡しを生業としている。 平和な幻想郷では人死にもないのか、えらくのんびり出来る…嘘、のんびりしているのは彼女がサボっているからだ。 他の渡しは忙しそうに働いている。 普段はこんなにも忙しくはない。だが、最近「ゆっくり」と呼ばれる謎の生き物が現れてから、三途の川は大混雑だ。 普通なら閻魔の裁きを受けることはないはずなのだが、このゆっくりというドマンジュウ、畜生の分際で魂があるらしく、三途の川を渡れるのだ。 もちろん渡し賃も持っていない。だが、こういった手合いを追い返すはずの奪衣婆は、今、ぎっくり腰で寝込んでいる。一匹一匹対処するには、数が多すぎたようだ。 「皆が働いている時に休むのは格別…ん?」 彼女の上司あたりが聞いたら激怒しそうな台詞を吐きながらゴロン、と横になる。またしてもけしからん物体が揺れる。 そんな小町の目に、あるものが飛び込んできた。 ゆっくりの家族だ。9匹ほどいる。 もちろん既に死んでいるので、足?というか顔の下のところががない。ふよふよ浮いている。 「家族連れで三途の川、かい」 よっこいしょ、と身を起こし、そちらを眺めやる。けしからんも(ry 暇つぶしに読んだ文々。新聞に書いてあったことを思い出す。 ドマンジュウの顔が嗜虐心を煽るとかで、面白半分に殺すものが増えている。子供の教育によくないのではないか、とハクタクが語っていたような気がする。 「あんな見た目とはいえ命は命、弄ぶのは感心しないな」とブンヤに語った覚えがある。 本音は「仕事増やすな」だったのだが。どうせ仕事なんて滅多にしないのに。 そこら辺に転がっていたカマに掴まって立ち上がると、もっぺん伸びをする。 「そろそろ仕事に取り掛からないと、またぞろ四季様に怒られる、と」 そういうと目の前のゆっくり、多分母親と思われるもの、の尻尾を掴んだ。 「ゆ゛?!」 急な出来事に目を白黒させるゆっくり。 後ろに続いていた子ゆっくりたちも、突然現れた人影に驚きあわてている。 「おねえさんだれ?」「おかあさんをはなして!」「ゆっくりできるひと?」と騒がしい。 「ゆっくり出来る人だよ」と子ゆっくり達に微笑みかけておいて、お母さんゆっくりに話しかける。 博麗の巫女に似ているから「ゆっくり霊夢」と呼ばれている種類のようだ。 「おねえさん、ゆっくりできるひと?」 とお母さん霊夢が尻尾を掴まれたまま聞いてくる。 「そうだよ、あたいは小野塚小町、三途の川の渡しさ」 一応答えてやる。が、もちろん理解できるとは期待していない。これも規則で決まっているのだ。 「さんずの…かわ?なにそれ?ゆっくりできるとこ?」 ほら、理解できてない。後ろのちっこいのも同じようなことをステレオで喚いてくる。 「そうさね、分かりやすく言えば、あんたたちは死んだのさ」 直球ストレートに投げ込んでみる。 「しぬ?それってどういうこと?」 だめか。この頭にプリンのかわりに餡子が入っているようなのに理解できるように… 「もうゆっくりできないってこと」 これならわかるだろう、と噛み砕いて言ってやる。 こうかはばつぐんだ! 「い゛や゛だあああああ!ゆ゛っく゛り゛でぎな゛い゛な゛ん゛でい゛や゛だあああああ!」 お母さんゆっくりが泣き出したことで、子ゆっくりにも伝染する。 「「「「「「「「ゆ゛っぐり゛じだい゛い゛い゛い゛い゛い゛い!!!!!」」」」」」」 とりあえず耳を塞いでみた。あまりこうかはないようだ。 「あー、大丈夫、これからもしかしたらゆっくりできるかも…」 聞いちゃいない。汚らしく鼻水や涙を撒き散らしながら転げまわる。 普通の魂にはこんな器用な芸当はできないはずなのだが。 生命の神秘に思いを馳せようとした小町だが、とりあえずうるさかったので、黙らせることにした。 「えい」 鎌の柄で殴った。ひたすら殴った。 渡し仲間が言っていた。「うるさいから殴って気絶させて運べ」と。 生きているゆっくりならとっくに餡子を撒き散らしているはずの打撃をうけても、まだ泣き叫んでいる。 「しぶといな…」 腕がそろそろ上がらなくなるかな、というところで最後の子ゆっくり霊夢が黙った。 魂のくせに気絶するなんて器用な奴、とぼんやり考えながら、渡し舟に放り込む。 普段なら魂たちの話を聞きながらのんびり(あえてゆっくりとは言わずにおいた)三途の川を渡るが、今回は別。 距離を操って、さっさと対岸につけた。また騒ぎ出されても面倒だ。 「はーい、ごとうちゃーく」 『四季映姫法廷』と名札のついた法廷に放り込んで、さっさと退散しようとする。 だがその試みは失敗に終わった。法廷の床がやたらと滑ったからだ。 「きゃん!」 油断していた小町は滑って転んで思いっきり腰を打った。腰をさすりさすり立ち上がり、もう一度逃げ出そうと試みる。 「小町、お待ちなさい」 ダメだったようだ。恐る恐る振り返ると、もう裁判長席には彼女の上司が腰を下ろしていた。 四季映姫・ヤマザナドゥ。楽園の閻魔。 「後で話があります。そこの傍聴席に座ってなさい」 ちびっ子閻魔は、やつれた表情で言った。 それもそのはず、普段は二交代制のはずが、ゆっくりが現れてからはろくに休みも取れていないのだ。 おいたわしや…、と思いながら「あ、あたいは仕事が…」と逃げ出そうとする。 「小町、嘘はいけません。舌を抜かれたいのであれば止めませんが?」 目が笑ってない笑顔でそうおっしゃった。 小町はとぼとぼと傍聴席に座る。四季映姫の本気を感じ取ったからだ。もうひとつ、ゆっくりに対する裁判がどういうものか気になったのもあったが。 小町は傍聴席につくと同時に部屋を包み込む甘いにおいと、その発生源に気がつく。滑った原因もそれで分かった。 「餡子…」 さっきおもいっきりぶん殴ったときはでなかったのに、餡子を出す特殊な方法でもあるのかな、と考え始めた時、四季映姫の声が響いた。 「被告人、母ゆっくり霊夢!」 カーン!と木槌を打ち付ける。その音でゆっくり達が目が覚めたようだ。そのとたんに騒ぎ出す。 「ここどこー?」「ゆっくりしたーい」「おなかすいたー」「おうちかえるー」 だが、映姫は慣れたもの。手にした木槌でぶん殴った。黙るまで、ひたすらぶん殴った。 その顔にどことなーく笑みが浮かんでいるのを小町は見たが、「四季さまも疲れていらっしゃるんだ」と思い、心の奥底に封印しといた。 敬愛する上司のそんな顔なんぞ覚えていても得がない。 「ゆっくり霊夢、あなたは幻想郷の人里、彦太郎の家屋に侵入、家の中にあった食料を子ゆっくり達と食べつくし、さらには丹精込めて育てられた畑を荒らしました。違いますか?」 「ちがうよ!あそこはれいむたちのおうちだもん!ゆっくりおやさいたべただけだもん!」 なんでさっきのあたいの説明がわからなかった脳みそ餡子が今のを理解できたんだろう?と小町は頭を捻った。 そして答えが出るわけがないのに気がついて、傍聴に集中することにする。とりあえず映姫さますごい、ということにしておいた。 「いいえ、あそこは先祖代々彦太郎の家です」 「ちがうもん!だれもいなかったもん!さいしょにゆっくりできるとこみつけたのはれいむだもん!」 議論は平行線を辿った。他にも様々な罪状(大体盗み食いとか)が上げられた。 だが、ゆっくりれいむの答えはすべて「ゆっくりできることみつけたのはれいむだもん!」だった。 子ゆっくり達にも一匹一匹同じ罪状認否を繰り返したが答えは決まって「おかあさんたちとゆっくりした!」だった。 (こりゃ映姫さまもやつれるわ…)と小町は心底同情した。 ゆっくりには罪の意識のカケラもないのだ。そんなのを悔い改めさせようとしても無理がある。 そんな無為な裁判が始まって、2時間が過ぎた。四季映姫が木槌を打ち鳴らす。 「以上の罪状に母ゆっくり霊夢以下ゆっくり家族9名は畜生道行きを命じ渡す!幻想郷に輪廻なさい!」 そう言って母ゆっくり霊夢を悔悟の棒で叩く。力の限り。 すると中の餡子が噴出し、母ゆっくり霊夢は子ゆっくり霊夢と同じ大きさになる。 「ただし、母の愛情深きを考慮し、一堂、同じ家族に生まれることをさし許す!」 そして側にぶら下がっていた紐をひくと、床に大穴が開く。 「「「「「「「「「ゆ゛うううううううう?!」」」」」」」」」 まったく同じ悲鳴を残して消えていく。後に残ったのは、餡子だけ。 小町は、ぐったりしている四季映姫に駆け寄った。 「四季さま、なぜ畜生道に?奈落に落としてしまえばよいものを」 そんな小町の問いかけに四季映姫はため息を一つ吐いた後答えた。 「私もたまに落としてしまいたいと思うこともありますが、それはしてはならないことです。小町、畜生とは?」 「は、『苦しみ多くして楽少なく、性質無智にして、ただ食・淫・眠の情のみが強情で、父母兄弟の区別なく互いに残害する人間以外の生類』……ゆっくりそのままですね。」 四季映姫はもう一つ深々とため息をついた。 「でしょう。ですから、畜生道に落とす以外はないのです。しかもゆっくりの魂は特殊らしく、ほかの動物に転生させることもままなりません…」 小町は、普段渡している魂とゆっくりの魂を想像の中で比べてみた。比べるまでもなく異常だ。長いこと渡しをしているが、あんな変なの見たことない。 「ゆっくりはゆっくりにするしかない、はあ、だからこんなに忙しいのですね…」 そう小町が言った瞬間。四季映姫の肩がぴくりと反応した。 (あ、地雷ふんだ…) そう直感した小町は「それでは四季さま、あたい、仕事に戻らせt」などと白々しい嘘を吐きながら逃げようとした。 むろん逃げられるものではなかった。がっちり肩をつかまれて、正座させられる。 説教は二時間にも及んだ。 説教をおえて、なんだかつやつやした顔の四季映姫の元から解放された小町は、三途の川の此岸側に来ていた。 げっそりした顔で「仕事しよ…」と呟く。 そんな小町の目にまたゆっくりの姿が見える。生まれたばかりで死んだばかりの赤ちゃんゆっくり霊夢9匹。 数の符号に嫌な予感を感じながらも、声を掛ける。 「あー、あんたたち、兄弟かい?」 「「「「「「「「「うん!おねえさん、ゆっくりできるひと?」」」」」」」」」 その息の合い方に間違いなく兄弟だと感じながらも、とりあえず小町は鎌の柄でぶん殴った。うるさかったからというのもあった。 そして、こいつらのせいで二時間説教される羽目になった、という恨みもこめた。 今日も三途の川の渡しは忙しい。ゆっくりが現れた結果がこれだよ! え、虐待というより虐待の裏側をぬるく書いてみました。期待はずれだった方、ごめんなさい。 『』内はwikiより引用。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1952.html
商品に含まれる主な成分 名無しの人間とその会話 新建造物 ありすのすっきり 新解釈 生き残るゆっくり ゆっくり専門店 ありすホイホイ 馬車の幌に入ると妙ににこやかな店主が一人。ここは移動型ゆっくり専門店「ゆっくりらんど」。 商品は各種ゆっくりと、飼育用品。そして虐待道具だ。 特に虐待道具はアマチュアの虐待師から買い取ったものまで販売しているためやたら種類が多い。 近くにこの店がやってきたのは久しぶりなので新商品を冷やかしに来てみたのだ。 「おっちゃん、この足を焼いたまりさはえらい高い値札の割りに普通に見えるんだけど、 値段に見合うすごい細工してあるの?」 「ああ、それはありすホイホイと言いましてね。ごーかんまのありすをすっきりさせて殺すんですよ。 新作で自信作、私が作ったお勧めの一品です。」 変形とか期待していたのに、店主から返された答えに拍子抜けしてしまった。 それでもこんな店を開くような人間の作品だ。普通の仕掛けじゃないだろう。 しかし、ごーかんまのありすはすっきりましーんだ。並大抵のまりさでは1時間と持つまい。 「毒でも入ってるんですかね?」 「いやいや、そんなことをしたら野良ゆっくりを食べれなくなりますからね。 それの中にはこいつを埋め込んであるんですよ。」 そう言って店主は戸棚からU字に曲がったチューブ状のゆっくり皮を出して来た。 乾燥していてよくわからないが、チューブということはぺにぺにを加工したものなのだろう。 「まあ、効果は実際見てもらった方がいいですね。御時間に余裕はありますか?」 実演販売されても値段高すぎるので無理と考えたが、見せびらかしたいだけのようなので頷いておく。 にこやかな顔で手近な檻からありすを2匹掴み出して小刻みに揺らす店主。 ありすは最初は身をよじって抜け出そうとしていたが、すぐにおとなしくなった。 「これがとかいのあらなみなのねぇぇぇ!」とか、 「うつくしくはばたくちょうになるのよぉぉぉ!!」とか言っている。 ちょぉノリノリである。 店主はすっきりする寸前で2匹を空の柵の中に放り込み、棚からまりさを取り出してくる。 「もうありすとすっきりしたくないよぉぉぉ!!!。どぼじでまりざにごんなごとざぜるのぉぉぉ!!!」 見た目も性格もごく普通のまりさだ。檻にいれて・・・前後からありすに突っ込まれている。 「わいるどなまりさにとかいはのしゅくじょのありかたをおしえてあげるわぁぁぁ!」 「とっぽいまりさをきれいにこーでぃねいとしてあげるわぁぁぁ!!」 二匹のありすは言葉とは逆に激しく打ち付けるように波打っている。 ただ、まりさの言葉だともう何度もありすと無理矢理すっきりさせられているようだが、 肌荒れもなく餡子がへっている様子もない。避妊処理をしただけなら売値が高すぎる。 「ああ、分かりましたよ。さっきのチューブをまむまむに繋げて餡子を外に捨てるんですね。 それならにんっしんしないしありすは中身出しすぎて死んでしまう。と」 「半分ほど正解です。そろそろ終わりますよ。」 「んほおおおおお!!!すっきりー。」 「んほおおおおお!!!すっきりー。」 「んぎっもぢい゛い゛い゛ぃぃぃい!!すっきりー。」 「まりさのまむまむはそこなしにふかくてわいるどだったけど、それじゃあとかいはにはなれないわね!」 「いなかくさいまりさはありすのこどもをそだてるしよーにんにしてあげるわ。」 「ちゃんとすっきりしたかったよ・・・・」 (ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ) まりさ自体は普通の固体だったようでぐったりとしてしまった。 「気付きませんねー、仕方ない。 口の周りべとべとに汚れたありすの何処がとかいはなんだかー」 「ゆ?そうだね。あのありすはおくちのまわりにきいろいのがべたべたでいなかくさいね!」 「ゆ?そうだね。あのありすはおくちのまわりにきいろいのがべたべたでいなかくさいね!」 顔をカスタードまみれにしたありすはまりさを挟んで反対側のありすをお互い田舎者認定した。 言ってから何かおかしいと気が付いたようで、こちらから見えないようにまりさの影に駆け込む。 (もーぞもーぞ) (ぺーろぺーろ) (しあわせー☆) でてきた二匹のありすは糸を引く唾液でもうべっとべとだ。隠れる前とあまり変わってない。 「おにーさんはばかだね。こんなにかわいいありすのおかおがよごれているわけないじゃない。」 「きっとおめめがよごれてるんだわ!きったなーい♪」 酷い言われ様だが、店主は気にした風も無く聞き流している。 逆に横で見ているこちらの寿命がストレスでマッハなのがしんどくなってきた。 「まだまだすっきりしたりないわ!れでぇにふさわしいかわいいまりさをよういしてね!」 「にんっしんしたまりさはもういらないから、おにーさんはもっとかわいいまりさをつれてきてね!」 「あらら、今日のありすはだいぶ足りてないようですね。困ったもんだ。 おまえたち、まりさがどうしたって?」 「なにいってるの。まりさはありすのあいのちからでゆっくりにんっしんしたのよ!」 「これいじょうすっきりー!したらおなかのこがゆっくりできないでしょ!そんなこともわからないの?」 「まりさがどうしたって?」 「だから!にんっしんしてまりさのおなかがおおきく・・・・なってないわね。ねぇ、なんで?」 ありすはこちらを見てわからないよーとでも言いたそうな表情だ。 しかし、見ているうちに口というか、顔のパーツが上に移動しているような気がする。 「ほら、わかりますかね。 にんっしんしてるのはまりさじゃなくてありすの方なんですよ。」 「なんでありすがにんっしんしてるのぉぉぉ!!!」 「ありすがぼてばらじゃすっきりできないでしょぉぉお!!なんでぇぇぇ」 襲った側のありすに気づかれること無く立場を逆転させる虐待のようだ。 「ほう…ありすに精子餡をかけて逆ににんっしんさせたんですね!」 「それも半分正解です。ゆっくりの餡子に精子餡という区別は無いみたいなんですよ。」 「まりさ!とかいはれでぃになかだしするなんてさいていのれいぱーね!」 「ゆるさないわ!せきにんをとってゆっくりおかしをもってきてね!」 「というと?」 店主はひょいとまりさを持ち上げ、ありすの体当たりが届かないテーブルへ置く。 「すっきりした後に体の粘膜が取れる前にゆっくりの中身を体内に取り込むとにんっしんするんですよ。 だから、さっき口の周りのカスタードを食べさせたわけです。 例えば、以前すっきりさせた直後にまりさの古いうんうんを食べさせたらまりさをにんっしんしまして! そのときの感動と言ったらもう開いた口がふさがりませんでしたとも!!」 この店主、テンション上がってきてキモチワルイ。 「うわー、それはまた適当な。でも、すりすりだけでもにんっしんできるんじゃないですか?」 「皮が厚くなった成体はすりすりだけだとすっきりに至るほどきもちよくはないようですね。 それにこのまりさは動けませんからね。突っ込むしかないですよ。」 それもそうだ。野良ありすがすりすりだけで満足するのも考えにくい話だし。 (´-`).。o(口に出されたらアウトってことね。欠陥商品だね、わかるよー。) 「「ちょっときいてるの!」」 「ありすおうこくのくいーんありすにゆっくりごはんをもってきなさい!」 「ありすのおしろにすまわせてやってるんだから、おにーさんにゆっくりするけんりはないのよ!!」 「で、れいぱーのありすは母体経験なんてないから皆これと同じ事を言いますよ。にんっしんした時にどうす ればいいかも分からないで、死ぬまで自分からは動かない!子ができたから自分は世界の頂点になったとい う失笑ものの勘違いだ!!!そんな馬鹿な話があるわけないだろう?このほいほいにかかったありすは全て 自分に罪が跳ね返って自らその重みで潰れるのみ!!!…はっ!?これは失礼。」 よかった。帰って来たようだ。 「えー、あー…まあそんなわけです。ありすが自分で自分を虐待するこの商品、いかがです?」 「すっきりするまでこいつらしあわせー☆なのがいただけませんね。いらんです」 「「ゆぐっ!?」」 店主は言葉も無くありすを店の外に蹴り飛ばした。半泣きでぷるぷるしてるおっちゃんきもい。 「とりあえず透明な箱二つください。加工所ブランドの成体ジャストフィットの奴で。」 会計を済ませ馬車の幌を出る。本当に動こうともせず転がってる二匹のありすを箱につめて帰ることにした。 補足 にんっしん=餡子・分泌液に含まれる子種うぃるすに感染として 動物型にんっしん→分泌液が相手の免疫力を低下させ、餡子注入された側が感染した結果 植物型にんっしん→すりすりしすぎて傷ついた皮から感染 ということで進行しています。 店主もアマチュアなので、今回の商品がうっかり植物型のにんっしんするケースを想定できていません。 そこらへんに居る趣味の虐待お兄さんの自作虐待道具を販売する店がきっとあるに違いない。 そんな想いで書いた。仕事帰りの満員電車の中で。 羊の羽 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1583.html
このSSは「ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ!」の設定を 勝手に流用して書いたものです。 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2112.html 「養殖ゆっくり」 ゆっくりが幻想郷に現れるようになって、はや数年が経った。 ゆっくりが現れた当初から、ゆっくりによる民家襲撃や農作物窃盗が相次ぎ、 人間とゆっくりの間では争いが絶えなかった。 人間は、まず人里に近づいたゆっくりを見つけ次第叩き潰すことでゆっくりによる害を減らそうとした。 しかし、ゆっくりはすぐに増えるため、あまり効果がなかった。 潰しても、数日もすると別のゆっくりが人里への侵入を試みた。 そこで、ゆっくりの巣を探し出し、片っ端から一家を全滅させることで増えないようにしようとした。 ゆっくりの一家や番は、例えるならゆっくり製造機みたいなものである。 こいつらを一家まるごと殺してしまえば、ゆっくりの増えるペースは減ると考えられたからだ。 このやり方では、たしかに一定の効果があったが、それにも限界があった。 ゆっくりは、すぐに増えてしまうからだった。 ゆっくりは一回の生殖で、植物型妊娠・動物型妊娠問わず、最低でも3匹から5匹は子供を作る。 この時点で、すでにゆっくりは確実に増加する傾向にあることが分かるだろう。 さらに、ゆっくりは、その生活形態も様々だ。 個別に独立して暮らすものもいれば、群れを作って共同生活するものもいる。 群れの場合、一度潰せばゆっくりの害は大幅に減るが、ドスがいるような群れはやっかいだった。 逆に、独立して生活している家族や番の場合、散らばって生活しているので個々の一家は潰しやすいが、その分効果が薄く、巣を探すの手間取った。 加えて、人里から一定以上離れた場所にいるゆっくり達には殆ど手を出せなかった。 離れた場所に住むゆっくりを殺す為だけに里の外で夜を明かすのは危険だし、何より自分の畑から何日も離れるわけにはいかなかったからだ。 農耕で生活している以上、里に住む人々の大半は、畑仕事に一番時間を割かねばならなかった。 こうしてゆっくり対策に行き詰まりを感じ始めた里に人たちは、ゆっくりに詳しい者達に力を借りることを決めた。 依頼を受けたゆっくりの加工場の職員や研究者達は、効率的にゆっくりを駆除する方法を考え始めたのだった。 問題点は、以下の2つに絞られた。 どうやって人里から離れた場所(森の奥)にいるゆっくり達も駆除するか? (人里周辺のゆっくりだけを駆除しても、他所から他のゆっくりがやってきてしまう) どうやって数が多いゆっくりを一度に駆除するのか? (ちまちま殺していたら、繁殖力の高いゆっくりの数は減らない) そこで加工場の関係者達は、人工的に養殖させた「非常識なゆっくり」を大量に自然界に放流する方法を思いついた。 勿論、こんなことを春や夏や秋にやれば大変なことになるが、餌が殆ど無い冬直前にやったどうなるだろうか。 こんな計画が持ち上がったのも、研究者達の観察や実験結果により次のようなことが分かってきたからだ。 実は、ゆっくりの最大の天敵は、小動物でも人間でも妖怪でもなく、ゆっくり自身だったのだ。 たしかに、小動物・人間・妖怪はゆっくりにとって脅威となる存在だ。 本気で狙われたら、まず間違いなく殺される(or 喰われる)。 だがそれは、あくまで「狙われたら」という話であり、そんなことはあまり起こらない。 起きたとしても、ゆっくりの数を大幅に減らすほどの影響はない。 ゆっくりと生活圏がかぶっている小動物は、必ずしもゆっくりを襲うわけではない。 草食系の小動物は、まずゆっくりには手を出すことはないし、肉食系の小動物も、基本的には他の動物を狙うので、ゆっくりがターゲットになることはあまりない。 そして、人間は自分達の生活圏の外にいるゆっくりには手出しできない。 妖怪達は、食料としてゆっくりを食すことは珍しくないが、それでもゆっくりの数に殆ど影響を与えていない。 だが、他のゆっくりは違う。 生活スタイル(食べ物・居住環境・生活圏)が同じであるが故に、仲間同士であると同時に生活の糧を奪い合うライバル同士でもあるのだ。 加えて、ゆっくりという生物(食べ物か?)は基本的に自己中心的で頭が悪く、イザコザが耐えない。さらに、ゆっくりの中には「ゲス」と呼ばれる、 ゆっくりを襲うことで生活しているものや、「レイパー」と呼ばれる強姦魔もいるという。 こうした研究結果を踏まえて、ゆっくりにはゆっくりで対処する方が良いと考えられ、今回のゆっくりを養殖する実験計画が立てられたのである。 ちなみに、この方法がダメなら別の手を考える予定である。 この計画の最大の目的は、春になるまでに出来るだけ野生のゆっくりの数を減らすことだった。 とにかく、出来る限り個体数を減らし、農家にかかる負担を軽くしなければならない。 今回、ゆっくりを養殖させるにあたって、雑草や昆虫が大量に集められた。 野生にない食材を与えると、野生のゆっくりが採った餌を受け付けなくなるからだ。 それでは養殖されたゆっくりが、野生のゆっくりの餌を略奪してくれない。 さらに、養殖されたゆっくり達を「教育」する動画も製作された。 野生のゆっくり達に受け継がれている生き抜く方法とは真逆の教育を施す為だ。 他の関係者から、「もし非常識なゆっくりが越冬に成功したらどうなるのか?」という問題点も指摘された。 だが、計画を立案した研究者は自信を持って次のように答えた。 養殖場で生まれ育ったゆっくりは、自然界ではまず生き残れない。 冬以外の季節なら、自力で餌を採る方法を覚えたり、他のゆっくりと暮らし始めて生き残れるかもしれない。 仮に野生のゆっくりと暮らし始めても、自力で餌を採る大変さを理解していないから、すぐに仲違いするだろうが。 しかし、真冬ならどうだろうか。まず餌は手に入らない。人里は我々が完全に守っているから、進入することも出来ない。 おまけに、食料を食べたいだけ食べることが良いことだと教育するので、野生のゆっくりの巣を見つけ出して略奪を行っても食料はすぐに尽きるし、 最終的には共食いしつつ餓死することになる。だから、養殖ゆっくりは春までには全滅するはずだと答えた。 ゆっくりによる被害を受けていた里は、今回の実験を初めて聞いたときは随分驚いていたが、 一切お金を取らないことや、家屋に万全のゆっくり対策を施すことで了承してもらった。 ゆっくりを養殖する施設は、群れから少し離れた開けた場所につくられた。 また、養殖していることを野生のゆっくりに悟られないようにする為、 養殖場の周りを、植物で偽装した高い壁でグルリと囲んだ。そして、鍵を持った職員しか入れないようになっている。 ここで養殖して一斉に放すことになる。 本来は加工上で育てる予定だったが、ゆっくりの群れが住んでいる場所の近辺まで、大量の成長しきった養殖ゆっくりを運ぶ方法が見つからなかったので変更された。 我々は、加工所の中で育てられているゆっくり達に強制的に子供を作らせた。 そして、植物方妊娠をしている親を眠らせ、その子供を採取して隔離した。 こうすることで、他のゆっくりから教育を受けていない、何の記憶も技術も持たない赤ゆっくり(れいむ種とまりさ種)が手に入った。 全部で10匹だ。 採取した赤ゆっくり達を眠らせた状態で養殖場の中に放置した。 養殖場の中は、まだガラ~ンとしている。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりを、500匹近く収容できるように作ってあるので、仕方が無いといえば仕方が無い。 とにかく、冬直前までに相当数のゆっくりを育て上げなければならない。 ゆっくりの教育は、毎日決まった時間に映像を流す形で行われた。 朝7時になると明かりがつき、モニターに電源が入り、スピーカーから挨拶が聞こえてきた。 「やあみんな、おはよう!ゆっくりしていってね!!!」」 それを聞いた10匹のゆっくり達は一斉に、 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 と、返事を返した。 「さあみんな、ごはんだよ!ゆっくりたべていってね!!!」 そうアナウンスされると、天井に付けられた機械が、天井を所狭しと動き回りながら餌を養殖場全体にバラバラと落とした。 いずれは、養殖場いっぱいにゆっくりがひしめき合うのだから、広範囲に餌を撒かないと、餌にありつけないゆっくりが出てきてしまうからだ。 献立は毎回一緒で、甘味料と冷凍雑草と冷凍昆虫を混ぜ合わせたものだった。 基本的に、自然界で容易に手に入る、草と虫以外のものを食べさせることは許されてはいなかった。 「ゆっ!おさらさん、ゆっくりれいむのところにえさを落としてね!」「すごくゆっくりできるえささんだね」「うんめ、めっちゃうんめ!」 「くささん、むしさん、ゆっくりたべられてね!」「きかいさん、ありがとうね!」 「「「「「「むーちゃ、むーちゃ、しあわせ~!!!!」」」」」 養殖場の様々な場所に、栄養素を溶け込ませた水を出す蛇口を取り付けてあるので、 食事を終えたゆっくり達は、思う存分水分を取っていく。 「「「「「「が~ぶ、が~ぶ、しあわせ~!!!!」」」」」」 食事が終わると、今度はお勉強の時間だ。 といっても、研究所と加工場が製作した教育映像を繰り返し流し続けるだけだったが。 『腹が減ったら、他のゆっくりの巣に勝手に入って食べればいい。他のゆっくりに餌を分けない奴はゆっくり出来ない奴だ。』 「ゆっ!すってなあに!」「でもゆっくりできそうなばしょだね!」「れいむもあんなばしょがほしいよ!」 「まりさにたべものをくれないなんて、ゆっくりできないね!ぷんぷん!」 『初めて会ったゆっくりをすっきりさせてあげるのはゆっくりできること。すぐにすっきりさせてあげよう。』 「すっきりってなあに?」「なんだかすごくゆっくりできそうだよ!」 『パチュリーはずる賢い悪いゆっくりだ。ゆっくりできないから、見つけたらすぐ潰そう。』 悪そうな顔をしたパチュリーを踏み潰すイラストを流した。 「ゆっ!ゆっくりできそうにないかおだね!」「あんなのみつけたら、まりさがぎったんぎったんにしてやるんだぜ!」 『ドスは、ゆっくりしすぎで太ってる。減らしてあげれば喜ぶから、すぐに喰いつこう。』 でっぷりした大きなゆっくりを噛みちぎるイラストを流した。喰いちぎられたゆっくりはニコニコしている。 「どすはゆっくりしすぎだよ。」「だいえっとをてつだってあげなきゃね!」 『れみりゃやふらんは敵。見つけたら全力で襲い掛かろう。弱いくせに偉そうにしている。ゆっくり出来ていない。』 「へんなかおだね!」「ぜんぜんつよくなさそうだね!あんなのかんたんにつぶせるよ!」 ゆっくりを捕食する捕食種「れみりゃ」と「ふらん」。 実は、単純に力という点だけを見れば、こうした捕食種は他のゆっくりより圧倒的に上回っているわけではない。 耐久力にしても、捕食種は中華まんだ。饅頭と対して耐久力に違いはない。 基本的に、ゆっくりが捕食種に勝てない理由には、手足の有無や体格差以外にも「絶対に勝てない」という思い込みもある。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりが、複数で物怖じせずに胴付き捕食種と全力で闘えば、勝算があることは加工所の実験で証明済みだ。 捕食種というのは、頭部だけの状態なら圧倒的に飛行スピードがあるの、まず他のゆっくりに負けることは無い。 しかし、胴体付きに進化すると、手足が使える反面、スピードという利点が無くなってしまううえに、動きが鈍臭くなる。 加えて、まさか他のゆっくりが襲ってくるとは思わないだろうから、隙だらけになる。 ちなみに、フランが捕食種の中でも最強なのは、「狂気」が最大の理由として考えられている。 体格や筋力が同じでも、イカれた人間と普通の人間が喧嘩をすれば、なかなか普通の人間は勝てないのと同じ理屈だ。 養殖場のゆっくり達には、複数のゆっくりがれみりゃに体当たりして容易に転ばせたうえ、踏み潰すという映像を見せた。 映像の中では、れみりゃを殺したゆっくり達が、「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!」とれみりゃを食べていた。 他にも、 『ゆっくりの巣は、木の根元や洞窟にあるぞ!』 『草や石が固まっているところが怪しいぞ!』 といった、野生のゆっくりの巣の探し方も教えた。 とにかく、こうした身勝手な行動こそが「ゆっくりできること」だと徹底的に教え込んだ。 まあ、こういうことが本来の「ゆっくりできること」なのかもしれない。野生のゆっくりは、厳しい自然環境の中で随分妥協しているけれど。 月日が経つにつれ、次第に養殖場のゆっくりの数は増えていった。 どんなに「すっきりー!」をしても。餌はすぐに降ってくるし、いつでも栄養素が溶け込んだ水を飲めたので、 ゆっくり達は思う存分子作りが出来たのである。 最初は恥ずかしがっていたゆっくり達も、養殖場の中にプライバシーなんぞ無いことを理解すると、 どこでも、子供の前でも、平気で「すっきりー!」するようになっていった。 村では、作物の収穫やゆっくり対策がほぼ終わっていた。 我々が行ったのは、強化ガラスとの交換に始まり、建物の補修、河童の少女と協力して開発したゆっくり撃退装置の設置などの各種ゆっくり対策グッズの設置だ。 ゆっくりの群れの方でも、ほとんどの家庭で餌の貯蔵が終わっていた。後は、本格的に冬が始まったら巣を塞ぐことぐらいだ。 さて、後はこいつらを放すだけか。 俺は、養殖場内のゆっくり達を睡眠ガスで眠らせると、 外に運び出した。 「よいしょっ!・・・と。結構いますね。どれぐらい増やしたんですか?」 「大体600匹ぐらいだな。まだ実験だし、そんなもんさ。けど、もうちょっと増えたらやばかったな。500匹ぐらいを想定してたから、 これ以上増えると、養殖場が維持できなくなっちまう。そうなると、俺達の仕事に『養殖ゆっくりの間引き』なんていう面倒くさい仕事が出来ちまう。」 「じゃあ、よかったすね。」 職員達はコンテナに詰められた養殖ゆっくり達を外に運び出すと、養殖場の撤去作業も開始した。 とても「ゆっくりした」ゆっくり達が一斉に開放された・・・ 群れから少し外れた場所で、一匹のゆっくりれいむが移動していた。 もうすぐ巣穴を塞ぐのだ。来年まで外に出ることは出来ない。 だから、冬篭りの前までに少しでも外の様子を見ておきたかった。 そんな時、れいむは一匹のまりさから声をかけられた。 「ゆっ!れいむ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!まりさ!ゆっくりしていってね!」 養殖場でゆっくり育てられた養殖ゆっくりは、野生ゆっくりから見て美人に見えるらしい。 すっかり気をよくしたれいむをよそに、まりさの後ろからぞろぞろと養殖ゆっくりが現れる。 「ゆぅ、なんだかさむいよ。はやくゆっくりできるところをさがそうね」 「ぽんぽんさんがすいてきたのぜ。むーしゃむーしゃしたいのぜ。」 れいむの表情は凍りついていた。 こうして養殖ゆっくり達は次々に野生のゆっくりの群れの中心に入り込んでいった。 群れに住む野生のゆっくりたちは何事かと巣から飛び出した。 この時期に大量のゆっくりがやってくるということは、どう考えても食料や住処の略奪としか考えられなかったからだ。 だが、略奪目的にしては、やってきたゆっくりたちの顔色や肌ツヤは非常に良かった。 また、随分友好的でゆっくりとしたな態度をとっていた。 群れのゆっくりたちは次第に、 「これはもしかしたら、別の目的で群れにやってきたのかも」 とか、 「きっと冬篭り前の挨拶に来たのではないか」 と噂を始めた。ドスの元にも報告が行っていた。 そして、徐々に歓迎ムードになっていた。 だが、それから数分後、ある養殖ゆっくりの一言で状況は一変した。 「ゆっ。れいむおなかすいたよ。たべものちょうだいね。」 それを皮切りに、他のゆっくりからも食料を求める声が徐々に上がり始めた。 群れのゆっくり達は驚いた。そして、 「自分達には、あなたがたに分け与えられるような余分な食料はないこと」 と伝えたり、 「そんなに血色が良いのに、あなたたちはどうしてたべものをもっていないのか」 と質問をした。 だが、養殖ゆっくり達には、野生ゆっくりの言うことが理解できなかった。 「食べ物をくれるのはあたりまえ」「季節なんて存在しない」という環境の中で育てられた為、 「どうして食べ物をくれないのか?」「冬篭り?何それ?美味しいの?」という有様だった。 10分も経つと、群れで大騒ぎになっていた。 群れの規模は100匹前後。 しかし、やってきた養殖ゆっくりの数は100匹を優に超えていた。 群れのゆっくりは必死で養殖ゆっくりを押しとどめようとした。 ある養殖れいむが言う。 「おなかがすいたよ。たべものをゆっくりちょうだいね」 さらに養殖まりさが言う。 「たべものをださないなんてゆっくりできないね。」 「かってにもらっていくよ。」 「どいてね!はいれないよ!」 番の野生まりさと野生ありすは家の前で必死に応戦する。 「ゆ~~~!やめてね。勝手にまりさのおうちに入らないでね!でていいってね!」 「それは冬を越すのに必要な食料よ!いまたべるなんてとかいはじゃないわ!このいなかもの」 いくら押しとどめようとしたり、突き飛ばしても、次々と巣に近づく養殖ゆっくりの数にはかなわなかった。 勝手に貯蔵庫の食料に手を付ける養殖ゆっくり達。 「むーしゃむーしゃ・・・う”っべべぇ”ぇ”ぇ”ぇ”! まずっ!げろまずっ!ぺっ!ぺっ!!」 生まれて初めて甘味料のない食料を口にした野生ゆっくり達は吐き出した。 「こんなのたべものじゃないよ!あまあまじゃないよ!ほんとのたべものをかくさないでさっさとだしてね!」 甘い食料など持っていないし食べたことのない野生ゆっくり達は、自慢の保存食料をゴミのように扱われ、ショックを受けた。 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお?」 群れで一番頭のいいパチュリー種の住む巣にも養殖ゆっくり達は押し寄せた。 「ゆっ!パチュリーがいるよ!ゆっくりしんでいってね!!」「ゆっくりできないゆっくりはしんでね!」 「むぎゅう”う”!わたしがなにをしたっていうのよおあああ!」 こうして、ゆっくりが自然界で生き抜く方法を知っている重要なぱちゅりー種は息絶えた。 ドスのいる洞穴にも養殖ゆっくりが入り込んだ。 養殖ゆっくりたちは、笑顔で挨拶する。 「ドスがいるよ!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」 ドスは最初は驚くが、笑顔で挨拶を返した。 「みんな、ゆっくりしていってね!!!」 外で起きていることはまだ報告が入っていないらしい。 ぞろぞろとやってくる養殖ゆっくり達の中のある一匹が突然どすに食らいついた。 がぶ・・・ 「むーしゃむーしゃ それなりーー!」 分厚い小麦粉皮を喰いちぎって頬張る養殖ゆっくり。 一瞬何が起こったのか分からないどすの代わりに、どすの付き人をしている野生ゆっくりが叫んだ。 「どぼぢでどすのおがおだべるのおおおおお!!!どずはゆっっぐりしてるんだよおおお?ばがなの?じぬの??」 その言葉で我に返ったドスは体を壁にぶつけてそいつを潰し殺した。 「馬鹿なゆっくりはさっさと死んでいってね!」 「どぼぢでよろごんでぐれないのおおおお?ダイエッドにきょーりょくしてるでしょおお!」 理不尽な攻撃を受けていると感じた養殖ゆっくり達は、怒りに燃えてドスに攻撃した。 どすは洞窟の中で暴れようとしたが、広さも高さも足りず、ただただ噛み付き攻撃や這いずり攻撃を繰り返した。 しかし、真正面からドスの口に飛び込むものはおらず、養殖ゆっくり達は全方位から喰らいついた。 ドスは徐々にスタミナを消耗し、まるで蟻に集られる饅頭のように体の体積を減らしていった。 「もっどゆっぐりしたかったよ・・・」 こうして、群一つを潰した養殖ゆっくりによる傍若無人な振る舞いと理不尽な暴力は森の各地に住む野生ゆっくり達に広がっていった。 例えば、とある群れに属さないゆっくり一家は、苛烈な尋問の果てに皆殺しにされた。 養殖ゆっくりの集団が、けっかいで偽装された巣を見つけ、中にいた一家を強引に外に叩きだしたのである。 一家があまあまな食べ物を隠し持っているに違いないと疑ったそのグループは、執拗に尋問を行い始めた。 「あまあまさんなんてしらないよ。ゆっくりかえっていってね!」 「うそをつくななのぜ!すのなかにかくしてるのはわかってるのぜ!!!」 集団は「こーでぃねいと」された巣の中を荒らし回った。 教育であまあまの存在を信じこまされていた養殖ゆっくりの集団は、貯蔵庫の食料を掻き出し、枯葉のカーペットをひっくり返し、一夏の「おもいでのしな」をバラ撒きながら「あまあま」を探し続けた。 しかし、いくら探せどそんなものはない。 最終的に痺れを切らした集団は、一家を踏みつけ突き飛ばし餡庫のシミに変えた。 また、ある子なしの番は強引に集団でスッキリーをさせられ、茎だらけになって永遠にゆっくりした。 勿論、巣の中を滅茶苦茶に荒らされるおまけつきで。 こうして野生のゆっくり達が餡庫に変えられていくなか、空腹に耐え切れず潰れた野生ゆっくりの餡庫を貪るものも出始めた。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 極度の空腹に襲われていた養殖ゆっくり達は、同族の餡庫を貪ることにも抵抗を示さなくなっていた。 「野生のゆっくり達は、餡庫ではないあまあまを体の中に隠し持っていた」と強引に思い込み、「共喰いをしている訳ではない」と自分達を納得させたのである。 甘い食料に舌が慣れきった養殖ゆっくりは、日が経つに連れて各地の巣を血眼になって探し続けた。 執念深く巣を見つけては、中にいた種族を問わずゆっくりを引きずり出し尋問し、巣を荒らして餡庫を貪った。 とはいえ、野生ゆっくりの数が減るに連れて徐々に巣の発見率も下がり、最後の手段である同族の餡庫すら手に入りにくくなっていった。 すると、捕食種も襲撃の対象になりはじめ、洞窟に巣を作っていたれみりゃの一家も巣も襲撃を受けた。 「おぜうさまにゆっくりたべられていくんだど~♪」 養殖ゆっくり達に無防備に近づいて手を伸ばそうとしたれみりゃは、後ろから脚にタックルを喰らい、転倒した。 「おお、おそいおそい」 「おお、よわいよわい」 集団で飛び乗り喰いちぎり貪っていく。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 「ざぐや”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!」 「ま”んま”ま”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」 れみりゃの子供たちも母親と同じ運命を辿った。 その後、養殖ゆっくりによる巣の襲撃は続いたが、滅多に巣を見つけられなくなった。 巣を襲撃できない養殖ゆっくり達も次第に個体数を減らしていった。 養殖ゆっくり同士で共喰いを始めるものも現れた。 すっきりーをして子供を持ったものもいたが、動きが鈍くなるため共食の対象にされた。 対象にされなくとも、これから冬を迎える季節で育てられる可能性は不可能だろう。 それに間違った知識を教えこまれているため、子供への教育もできないので子孫を残せない。 1代限りの存在を許された養殖ゆっくり達は、共食と餓死を繰り返し、 雪が積もり始める頃には姿を消したのだった。 冬も終わり春がやってきた。 月日が経ってもゆっくりによる被害は報告されず、ゆ害は皆無になっていた。 この試み因る効果は数年続くことも分かり、安い初期投資で高い効果が得られることから他の地域でも導入されることになった。 こうして、毎年冬が近づくと野生のゆっくりと養殖のゆっくりによる殺し合いが森の各地で行われることになったのである。 完- かれこれ何年ぶりの投稿でしょうか。 何年か前に途中まで書いた作品を、今日終わりまで書き足して投稿しました。 witten by 御湯栗 過去の作品 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4035.html#id_dd2fb33a
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1213.html
「強制ゆっくり」 「君達は、こんなところで何をしているのかな?」 帰り道、畑の端っこで野菜を貪り食っているゆっくりを見下ろして問う。 むーしゃむーしゃ♪と美味しそうに食べていた野菜を放ると、17匹のゆっくりは一斉に僕を見上げた。 「ゆ!?ゆっくりしてるんだよ!!」 「おにーさんはゆっくりできるひと?できないならどっかいってね!!」 「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」 成体のまりさとありす。それに、15匹の子ゆっくり。 周りには、野菜の食べかすと思われるものが無造作にばら撒かれている。 「そうかそうか、でもここは野菜を作ってるおじさんの畑だから、勝手に食べたらダメだよ」 別に、自分の畑ではないのだが…一応人としてそこらへんは注意しておこうと思った。 もちろん、無駄だということは分かっている。 「なにいってるの?やさいはかってにできるんだよ!!おにーさんばかなの!?」 「ここはさいしょにありすたちがみつけたんだから!!とかいはのゆっくりプレイスだよ!!ゆっくりりかいしてね!」 僕に対して反論するのは親であるまりさとありすだけで、他の子ゆっくりたちはまったく意に介さずゆっくりしている。 実際ゆっくりに『ばかなの!?』とか言われて、僕の怒りが有頂天にならないわけがないのだが… これから起こるであろう惨劇を思えば、その怒りも絶妙なスパイスとなる。 「仮にそうだとしても、畑のおじさんはそうは思ってない。 君達が正しいとしても、おじさんは怒って君達を殺したり食べたりすると思うよ」 「ゆ!!ばかなおじさんだね!!まりさたちにかなうわけがないのに!!」 「とかいはのありすにかてるわけないのにね!!これだからイナカもののおじさんはイヤなのよ!!」 「まりしゃたちもゆっくちやっちゅけるよ!!」「ありしゅもやっちゅけるよ!!」 無駄に好戦的なゆっくり一家である。今まで人間に負けた…酷い目にあわされた経験がないのだろうか。 まぁ、僕もゆっくりに負けた経験はないので、これから僕とゆっくり…どちらかが新しい経験をするのだろうな。 おそらく新しい経験をするのは、このゆっくり一家の方になると思うが。 「そんなおじさんと戦うのも疲れるだろ?お兄さんと別の場所でゆっくりしない?」 「ゆ?ここよりゆっくりできる?」「そこはとかいはのこーでねーとなの?」 「もちろん、とてもゆっくりできるよ。と言うより…そこでは“ゆっくり”以外できないんだ」 穏やかな笑顔で、奥に潜んだ悪意を包み隠す。そんなことしなくても、ゆっくり一家は気づかないと思うが。 「ゆ?よくわかんないよ!!でも、ゆっくりできるならところならつれていってね!!」 「はやくあんないしてね!!のろまなイナカものはきらいだよ!!」 「つれちぇって!!つれちぇって!!」「ありしゅもいきたい!!」 あっさり釣れたので、僕はゆっくりと自分の家へ案内した。 僕の家の前。 すでに、ゆっくり一家は僕の家へ飛び込もうとスタンバイしている。 念のため、僕はもう一度“ルール”を説明することにした。 「これからゆっくりする君達に言っておきたいことがある」 「ゆ?そんなのどーでもいいからね!!はやくゆっくりさせてね!!」 「今から言うことを守らないとゆっくりできなくなる…それでもいいのかな?」 「ゆ…ゆっくりきくよ!ゆっくりせつめいしてね!!」 “ゆっくりできなくなる”とか適当に言っておけば、大抵のゆっくりはおとなしくこちらの話を聞く。 僕はゆっくりと説明を始めた。 「この中に入ったら、君達はずっとゆっくりし続けることになる。ゆっくり以外のことは全て禁止だ。 もしゆっくり以外のことをしたら、お兄さんが二度とゆっくり出来なくさせてあげるからね」 もし今の言葉に危機感を感じたとしたら、そいつはかなり賢いゆっくりだ。 大抵のゆっくりは… 「まりさたちはいつもゆっくりしてるからだいじょうぶだよ!!」 「とかいはのありすたちが、ゆっくりしないなんてありえないよ!!」 「ゆっくちするよ!!」「ゆっくりしゅるよ!!」「じぇんじぇんだいじょうぶだよ!!」 こんな風に、自分の“ゆっくりスキル”に揺ぎ無い自信を持っている。 自分はゆっくり以外のことを絶対にしない、と思っている。 だからこそ僕も、じゃあこちらも全力でゆっくりさせてあげよう、という気になるのだ。 「そうか、そうだよね。君達はゆっくりできるゆっくりだから、全然問題ないよね!」 「そうだよ!!まりさたちはゆっくりできるものだよ!!だからはやくゆっくりさせてね!!」 僕が家の扉を開けると、17匹のゆっくり一家は我先に中へ入っていった。 ゆっくりを案内した部屋は、何の変哲もないただの六畳間である。 普通と違う点と言ったら…床に新聞紙を隙間なく貼り付けてあることくらいだろうだ。 これは、事が終わった後に片付けやすいように、との配慮である。 「ゆー!!ここならひろくてゆっくりできるね!!」 「とかいはのこーでねーととしてはまだまだだけど、しかたないからここでゆっくりしてあげるね!!」 「おにーさん!!ゆっくりごはんをもってきてね!!そしたらゆっくりさせてあげるよ!!」 「ここをまりさたちのおうちにするよ!!おにーさんおしえてくれてありがとう!!」 おお、さっそく“自分の家”宣言ですか。人間様を完全にナメているな。 「どういたしまして。それじゃ始めようか。 お兄さんが合図をしたら、絶対に“ゆっくり”以外のことを“したり”“言ったり”するのはダメだよ」 「おにーさんあたまわるいね!!まりさたちがゆっくりしないわけないでしょ!!」 「イナカものはものわかりがわるくてこまるね!!とかいはのありすたちをみならってね!!」 子ゆっくりたちがすでにゆっくりし始めているその傍で、まりさとありすは大きく跳ねながら僕を怒鳴りつける。 うん、かなり頭にきた。でもこんな風に威張る事が出来るのも今日が最後なのだから、思う存分やらせておこうと思った。 僕はゆっくり一家に笑顔を振りまきながら、大きく手を振り上げた。 「よし、じゃあ始めるぞ。よーいスタート!!」 「ゆっくりぃ~!!」 ゆっくり一家17匹の、ゆっくり耐久レースが始まった。 「じゃあおにーしゃん!!さっそくごはんもっちぇきてね!!ゆっくりごはんたべたいよ!!」 「はいアウト!!」 最初の脱落者は、子まりさだった。予想はしていたが、早すぎる。 僕はその子まりさを持ち上げると、頭をがっしり掴んで少しずつ力をこめていく。 「おにーさん!!あかちゃんをはなしてあげてね!!」「それじゃゆっくりできないよ!!」 「は?お前らバカなの?“ゆっくり”以外のことを言うな、って言ったのにさぁ… どうして“ごはんもってきて”って言葉が出てくるの?お兄さんの説明聞いてた?」 「ゆがあぎゃああぁぁぁぁぁあ!!!いだいいだいいだいいだい!!どうじでごんぎゃごどずるぼおおおお!!?」 「どうして?…“ゆっくり”以外の言葉を喋ったでしょ?そんな子は、ここでゆっくりする資格はないよ!ゆっくり死ね!!」 「びぎゅあああああああぁぁっぁおえごえg!!??」 一気に力をこめると、子まりさはあっさりと粉砕され…帽子だけがそこに残った。 指の隙間から、餡子がぼたぼたと新聞紙の上に零れ落ちる。甘い匂いとかすかな湯気が、一家の恐怖を煽った。 「ゆぎゃあぁぁぁぁぁあゆっぐぢでぎないいいいぃぃぃ!!!おうぢがえるううううぅぅぅ!!!」 「ひどいごどずるおにーざんはここでゆっぐりじててね゛!!まりしゃはおうぢにがえるよ゛!!!」 「はい君達もアウト!!」 玄関から逃げ出そうとした子ありすと子まりさを、華麗な手さばきで捕まえる。 「君達バカだね!“ゆっくり”以外のことをするなって言ったのに、どうして逃げようとするの?」 「ゆぎゃあああぁぁぁ!!ご、ごめんなざい!!わざどじゃないでしゅう!!」 「ゆっきゅりさせてね!!もうにげないからゆっくりしゃしぇbんろ!!??」 問答無用だ。僕は両手に掴んだ子ゆっくりを左右から思いっきり正面衝突させる。 顔面と顔面からぶつかった子ゆっくり2匹は、盛大に餡子をばら撒きながら即死した。 「さて、君達はもうわかったよね!!ゆっくりしない子は、こうなっちゃうんだどぉ~♪うっう~うあうあ~♪」 新聞紙の上に散らばった餡子とカスタードクリームを指差しながら、僕はれみりゃダンスを披露した。 「ゆ…ゆっくりぃ~!!」「ゆ、ゆっ…ゆっぐりぃ……!!」 お、すごい、本当に“ゆっくり”しか言わなくなった。 「そうそう、ここは“ゆっくり”するための部屋だからね!!ゆっくりしない子は邪魔だからゆっくりできなくするよ!!」 生き残っているのは、親であるまりさとありす。 そして、子まりさ5匹の子ありす7匹の合計14匹だ。 通常、ゆっくりというのは長時間ゆっくりさせないと死んでしまうらしい。 では…強制的にゆっくりさせるとどうなるのだろう? いくらゆっくりと言ったって、年がら年中24時間ゆっくりしているわけではないだろう。 そこを、人間の手で強制的に長期間ゆっくりさせる…結果どうなるのか、僕は自分の目で見てみたい。 「は~いおまたせー♪美味しい美味しいご飯だよ!!」 「ゆ…ゆっくりぃ~!!」「ゆっくりゆっくりぃ~!!」 原則的に“ゆっくり”以外の行為は禁じているが、食事と睡眠はゆっくりするために必要なものとして例外とした。 そんなわけで、僕は一家のための食事を用意して部屋の中に入る。 嬉しそうな顔をして、14匹のゆっくり一家が集まってきた。家族を3匹も失ったというのに、切り替えの早い奴らだ。 美味しいご飯と言っても、庭の雑草を抜いて洗っただけのものだが。 「ゆっくりぃ~♪」「ゆっくりゆっきゅりー!!」 そんないい加減なものでも、ゆっくり一家は美味しそうに食べている。野生の一家だから、何でも食うのだろう。 雑草があまりにも美味しかったのか、一匹の子ありすがこんなことを口走った。 「ゆっきゅりぃゆっきゅりぃ~♪しあわせ~♪」 …周りのゆっくりたちが、一斉に静まり返った。 「はいアウト!」 「ゆ?ゆゆぅ!!ゆっくりゆっくりぃ!!!」 首を振って否定してくるが、ちゃんと見てるんだぞ、お兄さんは。 「お前は今、“しあわせ~♪”と言ったな。ゆっくりしない子は…ゆっくり出来なくするって言ったよね…」 「ゆぎゅ!!ゆるぢでね!!ありしゅこんどからちゃんとゆっくりするからね!!」 子ありすの訴えに耳を傾けることなく、僕は輪ゴムを取り出して子ありすの頭に二重に巻いていく。 強い力で頭を締め付けられた子ありすは、今までにない悲鳴を上げた。 「びっぎゃああああぇrlがlrlが!!あだまいだいいだいいだいいいrlがじぇrgじあp!!!!」 「ゆぅ~ゆっくりゆっくりぃ!!」「ゆっぐりぃ……!!」 うん、いい悲鳴だ。 周りのゆっくりたちも何か言いたそうにしているが、ゆっくりとしか言わないので無視する。 僕は輪ゴムを三重、四重、とどんどんきつく巻いていく。 そして…だいたい同じ動作を十回繰り返した頃… 「いぎゃぎゃぎゃあだだだぢあいあいいああいああいおえrgじゃえびゅえっ!!??」 おでこから上が綺麗にちぎれて、ぽろっと落ちてしまった。泡を吹きながらびくびくと痙攣している子ありす。 それを見守るゆっくり一家は、もう何も言わずに涙を流しながら見ているだけだ。 当然である。何か粗相をすれば、今度は自分が同じ目にあうのだから… 「あばばばばば…ぴぎゃっ!!」「ゆううううううぅぅぅ!!!ゆっぐりい゛い゛い゛ぃぃぃぃぃ!!!」 手に持ってるのも気持ち悪いので、子ありすを床に叩きつける。 新聞紙の上には、カスタードが放射状に飛び散った。 「うーん、君達は偉いね!ここは“ゆっくり”するための部屋だ、ってのがよく分かってる!」 「ゆぅ…ゆっぐりぃ…!!」「ゆっぎゅりいいぃぃ…!」 “ゆっくり”以外の言葉を発することの出来ない一家は、その目で僕に訴えかけてくる。 きっと僕のことを思い切り罵りたいに違いない。僕に体当たりしたいに違いない。 でもそれはできない。それをした瞬間、“ゆっくり”以外の行為をしたとして…先立った子供たちと同じ運命を辿ることになる。 こいつらはそれが分かっているから、どんなに僕が憎くてもその感情を発散させることは出来ずにいるのだ。 「せっかくだから、ありすたちをゆっくりさせてあげるよ!!」 そう言って、僕は子ありすを一匹持ち上げた。さっきまでの僕の行動を思い出してか、ぶるぶる震えている。 「そんなに怖がらなくていいよ。ゆっくりさせてあげるからね!」 「ゆぅ?…ゆっきゅり♪」 何故か分からないが、子ありすの恐怖は吹き飛んだらしい。 僕は右手で子ありすに小刻みな振動を与える。 「ゆゆゆゆゆゆ…ゆっくりぃ…ゆっくりぃ~!」 すると…まだ赤ちゃんであるにも拘らず、子ありすはしっかり発情した。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆ!!!ゆっくりぃーーーーー!!!!」 涙とか涎とかいろいろ撒き散らしながら、一番近くの子まりさに圧し掛かる。 子まりさの方はすっかり豹変してしまった子ありすを恐れて逃げようとするが、発情子ありすに力で敵うわけがない。 あっさりねじ伏せられて、強制的に振動させられる。 「ゆぶぶ!!ゆっぐり!!ゆっぐりぃ!!!ごどもうびだぐないいいぃぃぃぃ!!!」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆ!!!まいしゃかわいい゛!!いやがるどころもずでぎいいいぃぃぃ!!!! ありしゅのがわいいごどもをうんでえぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇえ゛え゛え゛ぇぇ!!!!!」 子供のクセに、なかなかのテクニシャンだ。早くも2匹は絶頂に達しつつある。 「んほおおおぉぉぉお゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!!イ゛ッグう゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅうぅぅ!!!! ありしゅのあいを!!!うげどめでええぇぇぇぇぇえ゛ぇぇぇぇぇえ゛え゛ぇぇ!!!!」 「おっと危ない!はいアウト!!」 「う゛う゛ぅぅぅぅ…ゆ?おにーしゃんどーして!!!ありしゅをすっきりさせてね!!!」 性的絶頂の手前でお預けを食らった子ありすは、真剣な顔で僕に抗議する。 まだ興奮が収まっていないのか、その小さな身体は小刻みに震えている。 「どうして?今理由を聞いた?お前バカなの?“ゆっくり”以外するなって言ったのに、どうしてすっきりしようとするの? もうお兄さんの説明忘れちゃったの?バカなの?アホなの?死ぬの?」 「ゆ…ゆっぐりぃ!!ゆっぎりゆっぎゅりぃ!!!!」 今になってルールを思い出したのか、必死に今までの愚行を無かった事にしようとしている。 それでなんとかなると本気で思ってるところが、僕にはまったく理解できない。 「…そんなにすっきりしたいなら、すっきりさせてやってもいい。でも、その瞬間お兄さんはルールを破った君を殺す」 「ゆぶっ!!ゆゆ…ゆっぐり!!ゆっぐりぃ!!」 「だってそうでしょ?ルールを破るのはゆっくり出来ない子だもん。そんな子はここにいなくていい。殺しちゃえばいいよね! …それでもいいのなら、すっきりさせてやる。すっきりした瞬間、死ぬ。それでもいいのなら」 お預けを食らった子ありすにとって、すっきりすることと生きることは同等の価値を持っている。 すっきりして死ぬか、すっきりしないで生き続けるか… 「ゆ゛!ゆっぐり!!」 子ありすは、気丈にも頭を横に振った。 「そうかそうか、すっきりしないのか!!ありすは偉いな~!」 と言いながら、僕は再度子ありすに小刻みな振動を与えて発情を促す。 すっきりしたい!でもすっきりしたら殺される。だからすっきりしたくない!!なのにすっきりしたい! 性的興奮が収まればそんな苦しみもなくなるのだろうが…僕が繰り返し発情を促しているので、それも叶わない。 子ありすは、“すっきり”と命のどちらをとるか… 「おにーじゃんやめでええぇぇぇ!!!ずっぎりじだぐないいいぃぃぃ!!!」 「そうだろう?すっきりしたくないんだろう?お兄さんはそんなありすを褒めてあげてるんだよ!偉い偉い!!」 と頭を撫でるフリをして、もっと振動を加える。子ありすの目の色がだんだんヤバくなってきた。 粘液を周囲にばら撒きながら、子ありすは必死に快感に耐えている。 変わり果てた子ありすの様子を見て、他のゆっくりはもう言葉を発する余裕もないようだ。 「いびゃあぁぁぁぁああぁぁぁああ!!!イ゛ギだぐないいいぃぃぃぃぃ!!!じにだぐない゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 「死にたくない?なら話は簡単。すっきりしなければいいだけでしょ?何も難しいことはないよね!!」 と言いつつ、もっともっと振動を加える。もともとこいつを生かしておくつもりはない。 だって、最初の段階でこいつはもうルールを破っているのだから… 「いびゃああぁぁあぁぁあイッグウ゛ウ゛ゥゥゥゥゥウ゛ウ゛ゥゥ!!!アッバッバアァァァアァァアァァ!!!!」 「あれ?すっきりするの?死んじゃうけど…いいの?」 「うぎゃああぁぁぁあっぁあlrlgぁllrぁぁぁあ!!!……ずっぎり゛ー!!!」 その言葉を発する子ありすの顔は、まったくすっきりしていなかった。 すっきりの先に待っているのは、死だから… 「ありすはすっきりするためなら死をも恐れない!!勇敢なゆっくりだね~(笑)お兄さん感動したよ!!」 「いやあぁぁぁあぁぁぁぁごろざないえいjがぶぎっ!?!?!」 いろいろ後始末のことも考えて、床の上に普通に叩き付けた。 拡散したカスタードが残された一家の顔に飛び散る。 「ゆううううううううう、ゆっくりぃ……」 「ゆ……ゆっきゅりぃ…」「ゆっくり……ゆっくりぃ…」 一家はもうすっかり元気を失い、ゆっくりする以外何も出来なくなっていた… それから。 僕は一家をゆっくりさせ続けた。 ご飯を味わえば何を言うか分からない。眠れば寝言で何を言うか分からない。 恐怖に駆られた一家は、本当に“ゆっくり”だけをするようになった。 ご飯はただ貪り食うだけ。熟睡する事ができないので、常に寝不足。 交尾をしたくなっても、すっきりすれば殺される。ゆっくりすること以外の欲求をすべて封じられた形だ。 だから…ただ、その場に留まり、無意味に壁を見つめているだけ。 ゆっくりしていなければならない。ゆっくりしないと殺される。 何故なら、ここは“ゆっくり”するための部屋だから。 ゆっくりしない子は、二度とゆっくりできなくなる。そういう部屋だから。 だから、ゆっくりしつづける。 ゆっくり以外は、何もしない。何も出来ない。 ただ、ゆっくりする。何もないところで、ゆっくりする。 ゆっくりすることを考え、『ゆっくり』と言い、『ゆっくり』という声を聞き、ゆっくりとしたものを見て、ゆっくりし続ける。 それがゆっくりの本来の姿。ゆっくりしないゆっくりはただの饅頭だ。そんなゆっくりに存在価値はない。 そう教え続けて一ヵ月後、一家はたった3匹になっていた。 残ったのは親まりさと親ありす、そして子ありすであった。 「外に出たいの?いいよ!これからは外で自由にゆっくりしてね!!」 僕の仕事はもう9割は終えた。あとは、野外でこの一家がどういう行動に出るか…だ。 「いやあぁぁぁぁあぁぁありすはゆっぐりじだぐないいいぃぃぃぃすっぎりもいやあぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!!」 「ごっぢにごないでね!!まりさはゆっくりしたくないよ゛!!」 「ありしゅゆっくりしないからね!!みんなはむこうでゆっくりすればいいよ!!」 ぶるぶる震えながら、野生のゆっくりたちを追い払う一家。 「あんなのとはゆっくりできないよ!」「あいつらゆっくりしねばいいのにね!!」 などと勝手なことを言い残して去っていく野性のゆっくり。 「ここはまりさたちのゆっくりしないプレイスだよ!!いそいでいってね!!」 「あなたはゆっくりできるひと?だったらでていってね!!ゆっくりしないならここにいてもいいよ!!」 「いそいでいこうね!!ゆっくりしたらぜったいにだめだよ!!」 もはやゆっくりしたものを目にすると安心できない。ゆっくりしたものを聞くと不安感に苛まれる。 この一家は、病的なまでに“ゆっくり”を嫌い、恐れている。 これが、僕の努力の成果。 一ヶ月間強制的にゆっくりさせられたゆっくり一家は、もう二度とゆっくりしようとしないだろう。 「ゆっくりしたくない!!」 ゆっくりに有るまじき発言。 僕はそれを聞いて、性的絶頂に近い何かを感じた。 (終) あとがき あまり深く考えてないです。ただありすをすっきりできなくさせてやりたかったから… 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける